
原彩子氏【東京都杉並区】社労士インタビュー
まず、「プラセール」という法人名についてお聞かせください。
「プラセール」というのは、スペイン語で「pleasure」、「喜び」という意味合いです。
お客様から「ありがとう」と感謝の言葉をいただいたときに、「どういたしまして、喜んで」という気持ちを込めて、この名前を付けました。
私たちの事務所の理念は「予防法務(Preventive Law)」です。つまり、トラブルが起きてから対応するのではなく、起きる前に防ぐことを大切にしています。そのため、ときには会社を守るために、経営者にとって耳の痛いご提案をすることもあります。
そういった誠実な対応が実を結び、お客様から感謝していただけたとき、「プラセール」という名前が持つ「my pleasure(どういたしまして)」という意味が、私たちの目指す労使の良好な関係づくりと重なっています。
中心とされている業務についてお伺いします。
主な業務は、給与計算、社会保険の手続き、労務相談や管理者研修などの社内研修事業です。ほかにも、賃金制度の構築、助成金の申請など幅広く手掛けています。
給与計算は、複数の法律の知識、また法改正への対応が欠かせませんし、従業員様の生活に直結する重要な業務です。専門家に任せていただくことで、企業のご担当者様には、より社内に目を向けていただきご本業に集中していただいています。私どもとしても給与計算をお任せいただくことで、勤怠管理や育児休業者の情報も把握でき、助成金や労務改善のご提案に繋がっています。
労働・社会保険に関する手続きは、幅広く、書類も複雑です。手続き不備による不利益を避けるため、企業の状況に合わせて確実にサポートしています。
また、ウェルビーイングやエンゲージメントの向上が叫ばれる昨今においては、社内の制度やその制度への理解の他、今の時代に合ったマネジメントが求められます。組織の発展に「ヒト」は不可欠です。研修事業を通して、お一人お一人が自身の長所を活かしつつ、やりがいをもって働ける職場づくりの支援をしています。
社労士を志したきっかけについてお聞かせください。
社労士を志したきっかけは、以前の職場で同僚が長時間労働や職場環境が原因で精神疾患を発症し、人格が変わっていく様を目の当たりにしたことでした。温厚で明るかった同僚の勤怠が乱れ、口数が減り、笑顔が消え、欠勤を繰り返し、最終的には休職に至る変化を見て、労働環境が「人生」に与える影響の大きさを痛感しました。人生において働く時間は多くの割合を占めるため、この時間を少しでも充実させ、心豊かな人生に繋げてほしいという思いを胸に、法律の学習を始めました。
この思いは今も変わらず、むしろ社労士としての経験を経て「働く時間が有意義なものであれば幸せな大人が増え、ストレスのはけ口となっている弱者も救え、明るい社会に貢献できる」という、より大きな目標へと成長しています。
従業員の不調を招くような環境は、企業経営にも影響がありますね。
その通りです。従業員がメンタル不調から病気などに陥ってしまえば、一生その病気と付き合っていかなければならないケースもあります。このようなことで、労働審判や裁判などに至ると、企業としても解決のために多くの時間と労力が必要になります。
また、このような事態に至らないように、労使の良好な関係を構築することが大切であるという考えが根底にあります。経営者が従業員を大切に考えていても、思いが上手く伝わっていないことも多く見受けられ、そのような時に私たちが中和剤として円滑な労使関係構築の一助になれればと考えています。
組織について学びを深めるほど「職場の人間関係」の重要性を強く感じており、現在はそういった分野の研修にも力を入れています。職場の信頼関係を育むことが、結果としてトラブルを未然に防ぎ、業績向上にも貢献しているという現実を前に、関係性が希薄になりつつある現代において、この分野の重要性は今後ますます増していくものと確信しています。
仕事をされる上で大切にされていることはありますか。
常に誠実であることと、プラスアルファのものをご提供し、ご満足いただけるような仕事をすることを念頭に置いています。
現在お受けしている仕事の多くは、お客様からのご紹介や口コミによるものです。今のお客様にご満足いただけなければ、こうしたつながりは生まれなかったと思います。売上や顧客数の拡大よりも、一社一社としっかり向き合い、誠実に対応することを大切にしてきました。その結果、長くお付き合いくださるお客様が多くいらっしゃいます。
最後に、趣味についてお話しいただけますでしょうか。
今はもう完全に仕事が趣味と化している気がします。あえて言うならば、息子のサッカーの応援です。平日の夜に練習への送迎をしたり、休日には試合のお手伝いとして同行したり。ボールを追いかける子供たちを見て、その成長を感じたり、喜びや悔しさを共有したりすることで私自身も勇気をもらっています。
仕事、育児、家事に追われ慌ただしい日々ですが、社労士の仕事は、経験値を高めた自分自身がプラスαの価値となり企業の成長の一助となり得る、非常にやりがいのある仕事だと感じています。この仕事に出会えたことに感謝しつつ、今後も自分を高め、日々企業のサポートに尽力していきたいと思っています。
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