
竹内 勇一氏 インタビュー
専門とされている分野についてお聞かせ下さい。
サラリーマン時代に人事・総務部門に在籍していましたので一通りの人事・総務の仕事は経験がありますが、最も得意な分野は就業規則の作成・見直しです。以前、株式公開に関与していたこともあり、一般的な就業規則はもちろんのこと、組織規程などの諸規程についても特化した形で受けています。今後株式公開や内部統制構築を考えている企業にも、当事務所をうまく使って頂けたらと考えています。当然、規程の整備だけではなく、モチベーション管理なども行いますが、“企業の中に入り込んで”やらせていただきますので、社員一人ひとりの顔・名前も分りますし、それぞれお話しもします。「先生」というスタンスではなく、「一緒にやっていきましょう」というスタンスです。常に思っているのは、クライアントが何を考え、どうしていこうとしているのかの“ちょっとだけ先”を読んで、提案をするようにしています。裏方として、社労士の幅を超えて、“会社に入りこんだコンサルタント”として、今後も仕事をしていきたいと思っています。
厚生年金基金の事務長のご経験もあるのですね?
単体の基金がM&Aによって、連合の基金になったところがありまして、その事務長を務めていたことがあります。当時は厚生年金基金の代行返上の話などほとんど無かった時代なのですが、基金の解散の話が持ち上がって、理事会の開催や国への報告など一通りの業務を経験しました。その経験がありますので、今では退職金の制度設計のコンサルティングも積極的に行っています。
業務遂行にあたって注意している点をお聞かせ下さい。
一番注意しているのはコンプライアンス、守秘義務です。他のクライアントの情報を口外しないのは当然ですが、個人情報情報についてもなるべくプリントアウトはせずパソコン内に(セキュリティがしっかりとした状態で)保管していますし、他ペーパーであるものは全て書庫に保管し、施錠管理しています。
これは本当に喜ばれたという事例はありますか?
つい先日、解雇問題の解決で喜ばれたことがありました。これは従業員の方にも多少問題があったケースです。勤め始めた時の状況と事業展開が変わったことに伴い、本人の主張も二転三転して、それに社長が踊らされて、結局双方の関係がこじれてしまったんですね。客観的な立場から話し合いを重ね、結果的には解雇という形をとったのですが、社長に感謝されただけでなく、従業員からも“これでスッキリしました”とのお話があり、うまく納めることができました。
開業するに至った経緯についてお話しいただけますか?
本当に「軽い気持ち」でした(笑)。20数年間会社にいましたが、入社以来2〜3年ごとに必ず仕事が変わったり異動になったりと、転機が来ていました。それが何回か繰り返され、少し投げやりになっていた頃に社労士の資格を知り、軽い気持ちで受けたら見事に落ちました(笑)。そこから受験生気分で何とか資格を取り、「お客さんや事務所は何とかなるだろう」とやはり軽い気持ちで開業登録をしました。
社労士の仕事についても、10年も人事・総務にいたのだから当たり前に出来るだろうと思っていました。最後の1年間は会社からの引き留めもあってなかなか辞めさせてもらえなかったのですが、会社勤めと営業活動を並行して行っていました。ゆっくりサラリーマン生活をフェードアウトし、ゆっくり社労士業務をスタートさせた感じです。社労士の世界も普通の方のように大きな事務所に入り、そこで勤務社労士として経験を積んでという、いわゆる“エリートの社労士”の方とは少し違いますね(笑)。
今後どのような事務所にしていきたいと思っていますか?
現在も交流している税理士の方たちと合同で都心に事務所を構え、ワンストップで会社の全ての問題を処理出来るような体制を作りたいと思っています。そのような心づもりで「士業」が集まる勉強会にも出席していますが、税理士、弁護士、司法書士それに行政書士、不動産鑑定士なども含めたネットワークを組んで活動しています。
座右の銘、好きな言葉はありますか?
日常の業務については、“ちゃんとしようよ。キチンとしようよ”が私のキーワードです。感銘を受けた言葉は、中村天風先生の門下生の方から教わったのですが、「寝入る時は、何があっても楽しく寝入りなさい」で、私も実践しています。でも辛いことがあると夜中に目が覚めてしまいますね(笑)。
最後に、ご趣味についてお聞かせ下さい。
趣味はゴルフですね。サラリーマン時代は平日に有休を取って、皆が仕事をしている時にコースでのんびりするのがすごくストレス解消になっていたんですが、最近はなかなか時間が取れなくて…。この間行ってきた時は、携帯電話に追いまくられてゴルフになりませんでした(笑)。ゴルフ歴は長く、高校生から始めましたから、もう40年位になります。だからそうスコアを大きく乱すことはありませんね。ゴルフの魅力は、責任は全部自分で負うところでしょうか。個人で開業するのと似ていますね。そんなところが性に合っているのかもしれません。
また、厚生年金基金の解散の経験を生かし退職金制度の見直し等も行っています。
さらに株式公開実務を経験したことにより、会社の色々な規程を作成、運用実施したことは、今後株式公開や内部体制構築を考えている企業にとっては、手続業務だけではなく人事総務部的位置づけの社会保険労務士として、うまく使っていっていただけたらと思っています。