
小前 和男氏 インタビュー
主な業務内容についてお伺いします。
日常的には手続業務が中心で、顧問先の業種は介護・IT・派遣・小売流通が比較的多いです。正確、迅速、低コストで処理するよう心掛けています。これらの業界は、法律の型どおりに適応できない事案が派生しやすいため、臨機応変に対応することが求められ、日々研鑽に努めがなら対応しています。顧問先の中には上場企業や従業員数が1万人を超える企業もあり、日常的な労務相談も大きなウエイトを占めています。
相談の内容は多岐にわたっていますが、やはり解雇の問題が多いです。労働条件・賃金・管理監督者の取り扱いに関する問題等が、近年大きなトラブルの元になっているように感じます。法改正やタイムリーな問題が起きた場合は、随時、各企業の担当者を対象としたセミナーを開催しています。その他、研修業務に関しては、新入社員に対する教育訓練を定期的に行っておりますが、最近特に多い依頼は管理職を対象にした研修です。
また、コンスタントに賃金・人事制度構築も扱っております。特に従業員の「ヤル気」を引き出す賃金・人事制度を提案しています。
事務所の特色をお聞かせください。
就業規則、人事・賃金制度、給与計算、労務監査など、専門分野を持ったスタッフが多数在籍しているのが特色であり強みです。
スタッフは常勤が18名で、パート・アルバイトを含めますと20名強になります。現在登録している社労士は5名で内特定社労士3名、他試験合格者7名と受験準備中のスタッフの構成です。
今後、社労士は専門性を生かしたサービスを提供していくことがますます必要になってきます。ジャンル別のエキスパート集団として事務所の特色を生かし、今以上に専門分野の強さをアピールしていきたいと思います。もちろん、スタッフが与えられた分野だけをできればいいという訳ではありません。ローテーションを組んで満遍なく扱えるエキスパートになって欲しいと願っています。
スタッフの教育という意味で、昨年から月に2回の内部研修を始めました。私が講師役になる他、外部から人を招くこともあります。昨年は顧問弁護士を3回招き、民法を中心に講義をしていただきました。決めたテーマに沿った、法律や実務に関する講習会という形ですが、今後も充実した形で実行していく予定です。
前職についてお聞かせください。
以前は、郵便局に勤めておりました。給与計算を5年、簡易保険の外交に3年ほど従事しまして、31歳の時に独立開業、今年で26年目になります。給与計算の経験は社労士の実務に直結し、保険の外交は開業後の営業活動に役立ちました。労働組合の役員の経験もあり、その後も多くの事案を取り扱っておりますので、労使問題に関しては経験豊富だと自負しております。団体交渉や紛争の際には労働組合の代表として参加してきたわけで、その経験が逆の立場においても十分に発揮されています。今振り返ると、前職のキャリアが社労士の仕事に無駄なく生かされていると思っています。
社労士としての信念をお聞かせください。
企業経営を長く持続させていくということは、コンプライアンス(法令遵守)が必須であると考えます。経営者にとって法令遵守して経営することは厳しく苦しいことも十分理解することも大事だと思います。長年の経験則から労働法の遵守意識の低い企業が持続的に成長したケースは皆無です。企業の体力にあった法律の適用について様々なアドバイスをすることも我々の社会的使命と思っています。
私は「企業は人なり」という言葉をよく使います。企業の繁栄は「人」にかかっていると思います。最新型のIT機器を導入しても、それを使いこなせるクリエイティブな人材がいなければ何も始まらない。物ではなく、「いかに人を大切にするか」そこに企業の長期的な成長と未来がかかっているというのが私の信念です。
趣味、ストレス解消法はございますか?
温泉めぐりです。月に1〜2回は旅行も兼ねて様々な場所を訪ねています。リラックスした環境で、普段はできない仕事の整理や書き物をします。また、ゴルフも健康維持をかねてたしなむ程度に楽しんでおります。
今後、事務所をどのようにしていきたいとお考えでしょうか?
手続業務はコアな部分ですが、それだけでは事務所経営が成り立たない時代になってきています。今後は、顧客に当事務所の労務管理の付加価値サービスを認識していただけるような、専門的なコンサルティング事務所を目指していくつもりです。
顧問先に対しては、正確・迅速・低コストなサービスの提供、付加価値の高い専門サービスの提供、この二つに重点を置いて邁進してまいります。 特殊な専門サービスに関しての例として、株式上場を目指す企業が昨今減っていますが、上場を目指す会社を昨年度ベースでは10社程扱っておりますし、M&Aに関する案件も取り扱いがあります。また、「人」を視点として労務監査について力を入れて対応していきたいと思います。
正確、かつ迅速に事務処理をいたします。2人~数千人規模まで対応いたします。
【就業規則作成】
現状をしっかりと把握した上で、現場の意見も取り入れ実態に沿った就業規則、その他社内規程を作成します。導入後のフォローも恒常的に行います。
【人事・賃金体系の企画立案】
人事考課はどの点に着目して行えばいいのか?「成果・能力に見合う賃金」とは魅力的な言葉ですが、現状は非常に難しいものです。豊富な経験を生かし適切なアドバイスいたします。
【労使関係】
長年の経験を活かし、職場の労使関係を向上させ、いきいきとした職場作りをお手伝いいたします。労使交渉も含め具体的対応も可能です。