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更新日:2026 / 07 / 02
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外国人労働者の労務管理で考えたい職場ルールと文化の違い

雇用管理指針をきっかけに、説明・対話・教育訓練をどう日常業務に結びつけるか

この記事への視点を提供する社労士

    社会保険労務士 村松貴通(社会保険労務士法人村松事務所/静岡県浜松市浜名区)

この記事を読んで分かること

  • 外国人雇用を、入社後の説明や教育訓練まで含めた労務管理として整理できる
  • 日頃の労務管理の曖昧さが、言葉や文化の違いによって表れやすい理由を確認できる
  • 文化の違いを前提に、会社のルールをどう共有していくかを考えるきっかけになる

外国人労働者を雇用する企業では、採用後に会社のルールや仕事の進め方をどのように共有するかが、日々の労務管理に直結します。勤務シフト、休暇、報告・相談の仕方は日本人にも必要な説明ですが、言葉や文化の違いがある場合は、より丁寧に伝える工夫が求められます。
改正外国人雇用管理指針が6月14日に一部適用されたという記事を見ていきます。

改正外国人雇用管理指針が6月14日に一部適用

厚生労働省は6月14日、改正外国人雇用管理指針(外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針の一部を改正する告示)の一部を適用しました。同指針は、外国人労働者が在留資格の範囲内で能力を十分に発揮しながら適正に就労できるよう、事業主が遵守すべき法令や努めるべき雇用管理の内容などを盛り込んだもので、改正入管法による新たな在留カード等の交付に伴う対応などがこの日から適用されています。
6月14日以降、新たな在留カード等やマイナンバーカードの機能が付加された特定在留カード等の交付が開始されることから、指針の記載等の見直しを行うとともに、在留カード等の確認の際に「在留カード等読取アプリケーション」を使用し、在留カードの券面情報との整合性を確認することが適切である旨が規定されています。加えて、届出の怠りや虚偽の届出には罰則が適用され得る旨も明記されました。


他方、適正な人事管理等に関しては、日本語教育の推進に関する法律に基づき、外国人労働者及びその家族に対する日本語教育の機会の提供等の支援に努めることが事業主の責務であると明記されました。教育訓練に関しても、母国語での導入研修の実施など、日本語能力に配慮した実施等に努めるよう求めています。

記事提供:社会保険研究所

- 記事提供企業 -

 

記事では、改正指針の一部適用にあわせて、日本語教育の機会や母国語での導入研修への配慮にも触れられています。ここで企業が考えたいのは、外国人労働者だけに特別な管理を用意することではなく、会社のルールを誰に対しても説明できる形に整えているかです。言葉や文化の違いは、普段の労務管理で曖昧になっている部分を表に出しやすくします。

外国人雇用は、普段の労務管理と文化の違いを映し出す

今回の記事では、改正外国人雇用管理指針の一部適用とあわせて、日本語教育の機会や母国語での導入研修への配慮が示されています。これを外国人雇用に関する制度改正として受け止めるだけでなく、入社後に会社のルールや仕事の進め方をどう共有するかという労務管理の話として見ると、企業が日頃から整理しておきたいことが見えてきます。

外国人労働者であっても、労働法令、就業規則、勤務時間、休暇、評価、注意指導の基本は国籍で変わりません。会社が守るべきルールは共通であり、その内容を相手に伝わる形で説明できるかが、外国人労働者の雇用管理を考えるうえでの土台になります。日本語教育や導入研修も、そのための支援として位置づけると、入社後の説明や教育訓練を日常の労務管理に結びつけやすくなります。

一方で、外国人雇用で起きる行き違いは、外国人労働者だけを原因として生じるものではありません。残業を頼む基準、休暇の相談先、遅刻時の連絡、注意指導の記録が社内で曖昧であれば、日本人従業員の間でも納得の差が生じます。その曖昧さに言葉や文化の違いが重なると、会社は説明しているつもりでも、本人にはどのような行動を求められているのかが伝わりにくくなります。

実務で特に気を付けたいのは、勤怠、休暇、注意指導、配置や評価をめぐるやり取りです。就業時間前の準備をどう扱うのか、休みたいときに誰へ相談するのか、注意を受けた後にどの行動を改めるのかは、口頭の説明だけで済ませず、後から同じ内容を確認できるようにしておく必要があります。就業規則の該当箇所を示す、資料や図で補う、面談記録に残すなどの対応が、その後の行き違いを防ぐ助けになります。

文化の違いがある以上、仕事への向き合い方や職場での距離感が最初から同じになるとは限りません。会社として譲れないルールは明確にする必要がありますが、相手の文化や生活習慣を否定して一方的に合わせるよう求めても、納得して働く関係はつくりにくくなります。守るべきルールを示したうえで、本人の受け止め方を聞き、働き方の約束を対話の中で確認していくことが大切です。

企業が最初に取り組みたいのは、特別な制度を増やすことより、日常的にコミュニケーションをとり、それぞれの情報を共有する時間を持つことです。入社時の説明だけで終わらせず、勤務に慣れてきた後にも面談や声かけを行い、仕事上の困りごとや生活上の不安を話せる関係をつくります。地域の行事や日本文化に触れる機会を案内することも、その関係づくりの一つとして考えられるでしょう。外国人雇用を安定させるには、国籍によって管理を分けるのではなく、違いを前提にしながら、同じ職場で働くために必要なルールや考え方を一つずつ共有していく姿勢が大切になります。

執筆者

村松 貴通

静岡県

社会保険労務士法人村松事務所
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