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更新日:2026 / 01 / 28
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障害者雇用に関する「2026年の改正ポイント」や改正の推移、企業に求められる対応について解説

近年、ダイバーシティやSDGsへの関心が高まる中、障害者雇用を取り巻く環境は大きく変化しています。

障害者が能力や適性に応じた職業生活を安定して営めるように、一定以上の雇用義務や差別禁止などを定めた法律が、障害者雇用促進法(正式名:障害者の雇用の促進等に関する法律)です。

障害者雇用促進法における障害者の雇用義務などは、2022年の改正以降年々強化されています。

本記事では、障害者雇用促進法の2026年の改正ポイント、2022年の改正以降の推移、改正における企業に求められる対応について詳しく解説していきます。

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障害者雇用促進法2026年の改正ポイント

2026年の障害者雇用促進法の改正は、法定雇用率の引き上げと、対象事業主の拡大です。

ここでは、2026年の障害者雇用促進法の改正について見ていきます。

法定雇用率の引き上げ

2026年7月から法定雇用率が、民間企業は現行の2.5%から2.7%に、国・地方公共団体・特殊法人が現行の2.8%から3.0%に、都道府県等の教育委員会が現行の2.7%から2.9%に引き上げられます。

対象事業主の拡大

2026年7月からの法定雇用率の引き上げに伴い、障害者雇用義務のある民間企業の範囲が、現行の従業員数40人以上から従業員数37.5人以上に拡大されます。

雇用義務のある障害者の人数は、以下の計算式で算出が可能です。

  • 雇用義務のある障害者の人数=(常用雇用で働いている労働者の数+短時間労働者の数×0.5)×法定雇用率

また、後の廃止が決定されていますが「除外率制度」があります。一部の業種については、上記の雇用義務障害者を算出する際に、常時雇用人数に除外率を乗じた数を労働者数から除外します。

例:2026年7月時点・港湾運送業(除外率15%)・常用雇用労働者数500人の場合
雇用義務のある障害者の人数:(500-(500×0.15))×0.027=11人(端数切捨て)

参考:除外率制度について(PDF)|厚生労働省

2024年の障害者雇用促進法の改正施行ポイント

障害者雇用促進法は、2022(令和4)年に改正がおこなわれ、2024年、2025年と改正された法律が段階的に施行されてきました。

その中で、2024年に施行されたポイントは、法定雇用率の引上げ、雇用率の対象となる障害者の拡大、障害者雇用調整金・報奨金の支給方法見直し、障害者雇用助成金の新設と拡充です。

ここでは、2024年の障害者雇用促進法の改正について見ていきます。

法定雇用率の引上げ

法定雇用率は2026年7月から引き上げられますが、2年前の2024年にも引き上げが行われています。

2024年4月には、民間企業の法定雇用率が2.3%から2.5%に引き上げられました。

また、国・地方公共団体等の法定雇用率が2023年までの2.6%から2.8%に、都道府県等の教育委員会が2023年までの2.5%から2.7%となっています。

この改正に伴い、障害者雇用義務のある民間企業の範囲が、2023年までの従業員数43.5人以上から従業員数40人以上に拡大されました。

実雇用率の対象となる障害者の拡大

障害特性のため長時間勤務が困難な障害者の雇用機会を確保する観点から、短い時間で働く障害者の方についても2024年4月から実雇用率に算入できるようになりました。

具体的には、週の所定労働時間が10時間以上20時間未満で働く重度身体障害者、重度知的障害者、精神障害者を雇用した場合2024年4月前は雇用している障害者に含められませんでした。しかし2024年4月以降は対象者1人につき0.5人として実雇用率に算入できる仕組みです。

障害の種類、障害の程度ごとの雇用率制度におけるカウント数の算定方法は、以下になります。

週所定労働時間 週30h以上 週20h〜30h 週10h〜20h
身体障害者 重度 2.0人 1.0人 0.5人
身体障害者 一般 1.0人 0.5人 対象外
知的障害者 重度 2.0人 1.0人 0.5人
知的障害者 一般 1.0人 0.5人 対象外
精神障害者 1.0人 ※0.5人 0.5人

※0.5人でなく1.0人とカウントする措置は、当分の間延長されています。

障害者雇用調整金・報奨金の支給方法見直し

法定雇用率を達成した企業などに支給される障害者雇用調整金や報奨金が、2024年の障害者雇用促進法の改正施行により支給額が調整されています。

改正前は支給対象の障害者の人数にかかわらず、障害者一人につき一律の金額が支払われていましたが、2024年の改正により一定対象人数を越えた場合の超過分について調整されます。

障害者雇用調整金の支給調整については、支給対象人数が10人を超える場合の超過人数分への1人あたりの支給額が月額23,000円(6,000円の減額)になりました。

報奨金の支給調整については、支給対象人数が35人を超える場合の超過人数分への1人あたりの支給額が月額16,000円(5,000円の減額)になりました。

この支給調整は、2024年度の実績に基づいて2025年度の支給から反映されています。

障害者雇用助成金の新設と拡充

2022年の障害者雇用促進法の改正では、障害者雇用助成金の新設と拡充が行われました。

新設された助成金は、障害者雇用に関する相談援助のための助成金です。

障害者雇用相談援助助成金とは、障害者雇用相談援助事業を適正に実施する能力があると認定された事業者が申請できる助成金です。

(参考:令和7年度4月版障害者雇用納付金関係助成金のごあんない◇障害者雇用相談援助助成金|独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構

また、拡充があった助成金は、障害者介助等助成金、障害者作業施設設置等助成金、職場適応援助者助成金、重度障害者等通勤対策助成金になります。

障害者介助等助成金とは、障害者を雇用するか継続雇用をしている事業主が、障害の種類や程度に応じて雇用管理のために必要な介助等の措置を実施した場合の助成金です。

障害者作業施設設置等助成金とは、障害者を雇用するか継続雇用をする事業主が、障害者のために配慮された作業施設または設備の設置や整備を行う場合の助成金です。

職場適応援助者助成金とは、職場適応援助者による障害者支援を行う法人または事業主への助成金で、訪問型職場適応援助者助成金と企業在籍型職場適応援助者助成金の2種類があります。

重度障害者等通勤対策助成金とは、知的障害者、精神障害者または特に通勤が困難と認められる身体障害者を雇用するか継続して雇用している事業主が加入している事業主団体が、通勤を容易にするための措置を行った場合の助成金です。

上記に挙げた助成金の管轄は独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構です。年度や要件をよく確認してから申請を検討すると良いでしょう。

(参考:助成金|独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構

2025年の障害者雇用促進法の改正施行ポイント

2025年の障害者雇用促進法の改正施行ポイントは、除外率の引き下げです。

ここでは、2025年の障害者雇用促進法の施行内容について見ていきます。

除外率の引き下げ

除外率とは、障害者の雇用が特に困難とされる業種において、法定雇用率の算定対象となる労働者数を一定割合差し引く制度です。

除外率が、2025年4月からは除外率設定業種ごとにそれぞれ10ポイント引き下げられました。

また、改正前の除外率が10%以下の業種については、除外率制度の対象外になります。

引き下げ後の除外率は以下の通りです。

業種 除外率(%)
非鉄金属第一次製錬 5%
精製業 5%
集配利用運送業を除く貨物運送取扱業 5%
建設業 10%
鉄鋼業 10%
道路貨物運送業 10%
信書便事業を含む郵便業 10%
港湾運送業 15%
警備業 15%
鉄道業 20%
医療業 20%
高等教育機関 20%
介護老人保健施設 20%
介護医療院 20%
狩猟業を除く林業 25%
金属鉱業 30%
児童福祉事業 30%
専ら視覚障害者に対する教育を行う学校を除く特別支援学校 35%
石炭・亜炭鉱業 40%
道路旅客運送業 45%
小学校 45%
幼稚園 50%
幼保連携型認定こども園 50%
船員等による船舶運航等の事業 70%

企業に求められる具体的な障害者雇用の対応策

近年の障害者雇用促進法の改正による法定雇用率の段階的な引き上げや、実雇用率の対象となる障害者の拡大により、企業にとって実効性の高い対応が求められています。

また、企業に対しては、障害者雇用促進法の遵守だけでなく、障害の有無に関係なく誰もが職業を通じ社会参加ができ、活躍できる共生社会の実現をするための取り組みも求められているのです。

ここでは、障害者雇用に関して企業に求められる具体的な対応策について、整理していきます。

実雇用率の確認と現状の把握

最初に行うことは、自社の障害者雇用状況を正確に把握することです。また、従業員40人以上の事業主は毎年6月1日現在の障害者の雇用に関する状況をハローワーク等へ報告する義務があります。

実雇用率は、障害者雇用促進法に基づいた算定方法により、常用労働者数や短時間労働者のカウント方法や、重度障害者と一般障害者の算定方法などを正しく理解しなければなりません。

実雇用率の算定対象となる障害者は、具体的には以下に該当する障害者になります。

身体障害者 身体障害者手帳を持つ等級1級、2級の重度身体障害者
身体障害者手帳を持つ等級3級〜6級の一般身体障害者
知的障害者 療育手帳を持つ区分がA判定の重度知的障害者
療育手帳を持つ区分がB判定、C判定の一般知的障害者
精神障害者 精神障害者保健福祉手帳所持者で、症状が安定し就労が可能な状態にある障害者
統合失調症、そううつ病(そう病・うつ病を含む)てんかんのある人で症状が安定し、就労が可能な状態にある障害者(統合失調症、そううつ病、てんかんの手帳所持者を除く)
その他の障害者 身体障害者、知的障害者、精神障害者に該当しない発達障害者や難治性疾患患者等

実雇用率を計算して法定雇用率を下回っている場合には、足りない分以上の障害者を雇用しなければなりません。

また、2026年7月からの民間企業の法定雇用率2.7%への引き上げを見据えて、採用することが大切です。

障害者採用計画の見直しと着手

自社の障害者雇用状況を把握した後には、中長期的な障害者採用計画を考えて見直しと着手をしていきます。

障害者の採用計画では、以下の項目を軸として考えて行うことが必要です。

  • 採用目的
  • 採用人数
  • 担当部署や担当業務
  • 労働条件
  • 採用時期
  • 選考プロセス
  • 人的リソース
  • 採用活動費や施設整備費などのコスト
  • サポート体制
  • 外部サービスの利用

障害者採用計画の見直しを行う上で、従来の欠員を補充する方法では、障害者採用市場で後手に回ることになります。

既存の業務を障害特性に合うように細分化して、障害特性に合わせた募集要項を作成することが大切です。

近年増加している精神や発達障害者の雇用においては、テレワークの活用も有効な採用戦略です。

職場環境の整備と合理的配慮の整備

障害者を採用する場合には、障害者を受け入れるための職場環境と合理的配慮の整備をしなければなりません。

障害者がスムーズに働けるための備品や机の配置変更、バリアフリーの導入、スロープの設置などを行います。

また、障害者の特性に合わせて、休憩時間の柔軟化、指示の視覚化、業務マニュアルの作成なども必要です。

大切なことは物理的な設備改善だけでなく、業務手順を見直すことや、コミュニケーション方法を工夫すること、勤務時間や業務量の調整などの個々の状況に応じた対応です。

障害者の受け入れに不安を抱く従業員も少なからずいますので、ヒアリングや面談などによる障害者との関わり方を説明することで障害者を採用した後のトラブルを防ぐことができます。

他にも、障害者本人や現場の管理職や従業員が悩みを抱えないように、人事部や産業医と連携した相談窓口の設置も大切です。

助成金制度の活用

障害者雇用に取り組む企業を支援するために、国は複数の助成金制度を設置しています。

障害者雇用に対する代表的な助成金は、以下になります。

  • 障害者介助等助成金
    障害者介助等助成金は、障害者を雇用している事業主が雇用管理のために障害の種類や程度に応じた適切な介助等の措置を実施する場合に、費用の一部を国が負担する助成金です。
  • 企業在籍型職場適応援助促進助成金
    企業在籍型職場適応援助促進助成金は、自社で雇用する障害者のために企業在籍型職場適応援助者を配置して、障害者の職場適応や定着を目的として職場適応援助を行わせる事業主に対する助成金です。
  • 特定求職者雇用開発助成金
    特定求職者雇用開発助成金は、障害者を含む就職困難者などをハローワーク等を通じて雇い入れる事業主を対象としています。
    特定求職者雇用開発助成金には複数のコースがあり、その中で障害者雇用に利用できるコースは、特定就職困難者コースと発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コースです。
  • 障害者トライアル雇用助成金
    障害者トライアル雇用助成金は、障害者をハローワーク等の紹介によって原則3ヶ月間試行雇用した事業主に対して支給される助成金です。
    試行雇用に助成金を支給することにより、障害者の適性や能力を見極めて、継続雇用への移行を促進することを目的としています。
  • 障害者作業施設設置等助成金
    障害者作業施設設置等助成金とは、障害者の作業施設の新設やバリアフリー化、支援機器の導入に対して支給する助成金です。

募集、選考、入社後のフォロー

障害者を募集する場合には、ハローワークへの求人申込み、障害者合同就職面接会への参加、特別支援学校や支援機関との連携などが挙げられます。

選考は、障害の有無に関わらず公平で適切な評価をしなければなりません。

障害者の採用は、できることや配慮すればできることに目を向けて選考を行うことが大切です。

入社後は、定期的な面談やフォローアップを行い、業務の習得状況や課題、体調の変化を確認して状況によって支援内容を見直します。

外部支援機関との連携

障害者雇用は、企業だけでは必ずしもうまくいかないケースもあります。

そのため、ハローワーク、地域障害者職業センター、就労移行支援事業所などの外部支援機関と連携することも、一つの方法です。

外部支援機関の専門的な知見を利用することで、安定した障害者雇用につなげることが可能です。

障害者雇用促進法の法定雇用率違反

障害者雇用促進法では、常用労働者の数に対する障害者の割合を設定して、法定雇用率の達成義務を課しています。

この法定雇用率を満たさない場合には、障害者雇用納付金の納付、行政指導、企業名の公表などの処分を受けるかもしれません。

ここでは、それぞれの違反リスクについて、見ていきます。

障害者雇用納付金制度

障害者を雇用している事業主間の負担の公平を図るため、常用労働者100人超の企業で法定雇用率が未達成の企業は障害者雇用納付金が徴収されます。障害者雇用納付金は、常用労働者が100人を超える企業が毎年独立行政法人高齢・障害・求職者支援機構へ申告をおこない、不足人数1人につき月額5万円を納付する制度です。そのため、不足人数が1人いると年間60万円を障害者雇用納付金として納める必要があります。

法定雇用率が未達成の企業が納付した障害者雇用納付金は、法定雇用率を達成している企業に対し調整金や報奨金として支給されます。

行政指導と企業名の公表

毎年6月1日現在の障害者雇用状況報告をハローワークへ提出しますが、実雇用率の低い事業主に対してはハローワークから行政指導が行われる可能性があります。

さらに、行政指導が行なわれても改善されない場合には、企業名が公表されるかもしれません。

行政指導から企業名の公表への流れは、以下になります。

  • 翌年1月を始期とする2年間の雇入れ計画を公共職業安定所長が作成命令
  • 計画の実施状況が悪い企業に対し雇入れ計画の適正実施勧告
  • 雇用状況の改善が特に遅れている企業に対し公表を前提とした特別指導を実施
  • 厚生労働省のホームページなどに企業名の公表

まとめ|障害者雇用促進法の法定雇用率は改正により変わるため、企業は注意が必要

障害者雇用促進法は障害者が職業生活において自立することを促進し、職業の安定を図ることを目的としています。

多くの企業は毎年のように雇用状況を報告し、段階的に引き上げられる法定雇用率に対応する必要があります。

そのため、障害者の能力を見極め、適した職務内容や職場環境を検討する取り組みが必要です。

法定雇用率を達成できなかった企業は、障害者雇用納付金の納付、行政指導、企業名の公表などのリスクがありますので注意が必要です。

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執筆者

中小企業福祉事業団 編集部

 
日本最大級の民間社労士団体として、社労士を介して中小企業を支援する活動を行っています。本サイト「社労士ナビ」は、課題を抱える中小企業が、課題を解決できる社労士を探して、巡り合えるように構築しました。「社労士ナビ」が中小企業の人事・労務課題を解決する一助になれば幸いです。

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