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人事・労務
更新日:2026 / 06 / 12
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【2026年最新】年収の壁一覧|担当者がおさえておきたい103万円・106万円・130万円・178万円の違いと整理ポイント

近年の制度改正により、「103万円の壁が変わった」「106万円の壁がなくなる」「178万円まで働ける」といった話題を耳にする機会が増えています。こうしたなかで、労働者から「扶養内で最大限働きたい」「手取りを減らさずに働きたい」と相談され、どの制度を確認すべきか迷う企業担当者も多いのではないでしょうか。

年収の壁には、所得税や住民税に関わる「税制」と、健康保険・厚生年金保険に関わる「社会保険」という2つの異なる制度が関係します。

税制上の基準だけを見て案内すると、社会保険の加入要件や健康保険の被扶養者認定を確認しないまま対応してしまうおそれがあります。反対に、社会保険の基準だけを見ていると、配偶者控除や社内手当への影響を十分に考慮できない場合があるため、制度同士の影響を理解しておくことが大切です。

本記事では、一覧表で代表的な年収の壁を比較・整理し、誤解されやすいポイントを解説します。労働者からの問い合わせに迷わず対応するための整理にお役立てください。

年収の壁の全体像については、こちらの記事もあわせてご覧ください。

関連記事:【最新】”パート扶養がなくなる”は誤解?年収の壁一覧とポイント整理

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年収の壁一覧|主な年収ラインと影響する制度の種類

主な年収の壁には、金額や関係する制度、影響する対象がそれぞれ異なる5つのラインがあります。

まずは一覧表で全体像を把握しておきましょう。

【代表的な年収の壁やその意味、関係する制度一覧】

年収の壁※1 壁の意味 制度の種類 主に影響する人
約110万円の壁※2 住民税がかかりはじめる目安 税制(住民税) 給与所得者本人
106万円の壁※3 社会保険の加入対象になる目安 社会保険 短時間労働者本人
123万円の壁※4
(旧103万円の壁)
配偶者控除に関係する目安 税制(所得税) 配偶者を扶養する給与所得者本人
130万円の壁 健康保険の扶養・国民年金の第3号被保険者から外れる目安 社会保険 短時間労働者本人
178万円の壁※4 所得税がかかりはじめる目安 税制(所得税) 給与所得者本人

※1:年収の壁の金額は、給与収入を前提とした目安です。税制の壁は所得状況、社会保険の壁は勤務条件などによって、実際の判定が変わる場合があります。
※2:住民税の非課税基準は住んでいる自治体や扶養の状況によって異なるため、表では「約110万円」としています。
※3:106万円の壁に関係する賃金要件(月額8.8万円以上)は、令和8(2026)年10月に撤廃予定です。
※4:令和8・9(2026・2027)年分は特別措置により、123万円の壁は136万円に、178万円の壁は令和7年分の160万円から引き上げられています。

たとえば、令和8(2026年)分で短時間労働者の年収が132万円のとき、社会保険に影響する130万円の壁は超えているため、扶養から外れる可能性があります。しかし、配偶者控除に関係する136万円の壁は超えていないため、配偶者側は引き続き配偶者控除を受けられます。

このように、労働者の働き方によっては複数の壁が同時に関係する点に注意が必要です。年収130万円未満であっても、勤務時間や雇用見込みによっては社会保険の加入対象となる場合もあるため、どの壁に該当するかを税制と社会保険の両面から確認しておくことが大切です。

各年収の壁の詳しい内容や企業への影響は、表内のリンク先で解説しています。住民税の非課税基準は自治体ごとに異なるため、正確な金額は該当する自治体の情報をご確認ください。

参考:国税庁|令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について
参考:財務省|令和8年度税制改正の大綱(PDF)

年収の壁で誤解されやすいポイント

年収の壁は、税制・社会保険でそれぞれ基準が異なります。「106万円の壁がなくなる」「178万円まで働ける」といった情報だけで判断すると、確認すべき制度を見落とす可能性があります。

ここでは、企業担当者が労働者へ案内する際に誤解されやすいポイントを整理します。

106万円の壁|撤廃されるのは社会保険の賃金要件

令和8(2026)年10月に撤廃予定とされているのは、パートやアルバイトなど短時間労働者の社会保険加入要件のうち、所定内賃金が月額8.8万円以上という賃金要件です。

賃金要件が撤廃されたあとも、以下の要件を満たす場合は社会保険の加入対象になります。

  • 週の所定労働時間が20時間以上であること
  • 2カ月を超える雇用見込みがあること
  • 学生(昼間学生)でないこと

また、社会保険の企業規模要件も段階的に拡大される予定です。令和9(2027)年10月には、対象となる企業規模が現在の51人以上から36人以上へ広がります。

そのため、「106万円の壁がなくなる」と聞いても、社会保険への加入判定そのものがなくなるわけではありません。むしろ、賃金要件の撤廃や企業規模要件の拡大により、今後は社会保険の加入対象となる短時間労働者が増える可能性があります。

加入対象者が増えると、企業の社会保険料負担や資格取得手続きも増えるため、短時間労働者が多い企業では注意が必要です。

参考:厚生労働省|社会保険の加入対象の拡大について

178万円の壁|所得税の基準と社会保険・社内手当は別

178万円の壁は、所得税に関する基準です。所得税の基準が見直されても、社会保険の加入要件や健康保険の被扶養者・国民年金の第3号被保険者認定の要件、配偶者手当・家族手当の支給基準が同じように変わるわけではありません。

そのため、税制上の基準だけを見て働き方を決めると、社会保険料の負担や手当の減額・不支給によって、手取りが想定どおりに増えない、または減る可能性があります。

労働者から「年収178万円までなら手取りに影響はないか」と相談された場合は、所得税の話なのか、社会保険や社内手当も含めた話なのかを確認してから案内しましょう。

参考:財務省|令和8年度税制改正の大綱(PDF)

123万円の壁|税制改正で社内手当の基準は自動変更されない

配偶者控除に関係する給与収入の目安が103万円から123万円に引き上げられても、企業の配偶者手当・家族手当の支給基準が税制の変更に合わせて連動するものではありません。

たとえば、就業規則や賃金規程で配偶者手当が「配偶者の年収103万円以下」を支給条件としている場合、税制上は123万円(令和8・9年分は136万円)まで配偶者控除を受けられるとしても、配偶者手当は支給されません。

税制上の基準と社内手当の支給基準は別のものです。税制改正にあわせて社内基準を見直す場合も、現行基準を維持する場合も、労働者が誤解しないよう企業としての方針を事前に伝えておきましょう。

参考:国税庁|No.1191配偶者控除
参考:国税庁|No.1195配偶者特別控除

特定親族特別控除の創設|税金と健康保険の扶養は別制度

改正前は、19歳以上23歳未満の子の給与収入が103万円を超えると、親など扶養する側が特定扶養控除を受けられなくなる仕組みでした。

令和7年度税制改正では、この急な控除減少を緩和するため、特定親族特別控除が創設されました。給与収入を前提とすると、150万円以下までは満額の63万円の控除、150万円を超えても188万円以下までは収入に応じた控除を受けられるようになります。

ただし、特定親族特別控除は所得税に関する制度であり、健康保険の扶養とは別です。そのため、税金の計算上は控除の対象になっても、健康保険の扶養に入ったままでいられるかは別に確認する必要があります。

該当する労働者から扶養に関する相談があった場合は、混乱を招かないよう、まずは税の計算上の控除と健康保険の扶養は別の制度であることを伝えておくとよいでしょう。

参考:国税庁|No.1177特定親族特別控除
参考:国税庁|令和7年度税制改正(基礎控除の見直し等関係)Q&A(P.7)

年収の壁全体での企業対応や支援制度については、以下の記事をご覧ください。

(関連記事:年収の壁への企業対応|複数の壁が絡む問題と活用できる支援策を解説

専門家との連携が安心|年収の壁への適切な対応をサポート

年収の壁への対応では、社会保険の加入対象者の確認や労働者への案内、社内制度の見直しなど、幅広い対応が必要になる場合があります。通常業務と並行して進める必要があるため、早めに対応方針を整理しておくことが大切です。

税額の計算や確定申告など、税金そのものに関する相談は、税理士など税務の専門家に確認が必要です。一方で、社会保険に加入するかどうかの判断や資格取得手続き、就業規則・労働契約書の見直しなどは、社労士と連携することで業務を進めやすくなります。

社労士に相談しやすい内容は、以下のとおりです。

  • パートやアルバイトなど短時間労働者の社会保険加入対象者の整理
  • 資格取得手続き
  • 労働者向け説明資料の作成
  • 配偶者手当・家族手当の見直し
  • 助成金の要件確認や申請準備

特に中小企業では、法改正への対応を社内だけで完結させるのが難しいこともあります。早めに社労士へ相談できる体制を整えておくことで、制度変更にも落ち着いて対応しやすくなるでしょう。

まとめ|年収の壁は制度ごとに分けて理解し、計画的に対応を進めよう

年収の壁には、税制と社会保険という2種類の制度が関係しています。税制の壁が見直されても、社会保険の壁や社内手当の支給基準が同じように変わるわけではありません。

一方の基準だけを見て案内すると、社会保険料の負担や社内手当への影響を見落とす可能性があります。その結果、労働者との認識のズレや社会保険の手続き漏れ、問い合わせ対応の増加につながるおそれがあります。

こうしたリスクを防ぐためには、労働者の働き方や家族構成、社内制度に応じて、どの壁を確認すべきかを整理しておくことが大切です。

年収の壁への対応を計画的に進められれば、労働者が働き方を判断しやすくなり、企業にとってもシフト調整や人員配置の見通しを立てやすくなります。自社だけで判断が難しい場合は、社労士と連携し、制度改正や労働者からの問い合わせに対応できるよう準備しておくと安心です。

年収の壁に関する労務対応を社労士に相談する

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初回相談が無料の社労士も多いため、事務所のスタンスや人柄をしっかり見極めた上で依頼しましょう。

年収の壁の全体像については、以下の記事もあわせてご覧ください。

関連記事:【最新】“パート扶養がなくなる”は誤解?年収の壁一覧とポイント整理

執筆者

中小企業福祉事業団 編集部

 
日本最大級の民間社労士団体として、社労士を介して中小企業を支援する活動を行っています。本サイト「社労士ナビ」は、課題を抱える中小企業が、課題を解決できる社労士を探して、巡り合えるように構築しました。「社労士ナビ」が中小企業の人事・労務課題を解決する一助になれば幸いです。

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