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社会保険・労働保険
更新日:2026 / 04 / 09
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【一覧表あり】社会保険料の会社負担はいくら?5つの制度別負担割合と納付スケジュールを解説

社会保険料は、企業が負担する人件費の中でも大きな割合を占める費用です。一般的に、企業が負担する社会保険料は給与の約15〜16%程度といわれています。

社会保険料は制度ごとに料率や労使の負担割合が異なるだけでなく、健康保険や介護保険のように毎年料率が見直される制度もあります。そのため、保険料を正しく処理するためには、制度の仕組みや最新の料率を把握しておくことが重要です。

仕組みを正しく理解しないまま処理すると、控除額や納付額に誤りが生じます。最大2年分の遡り請求や、悪質なケースでは罰則が科されることもあるため、制度ごとの正確な把握が欠かせません。

本記事では、5つの制度の労使負担割合を一覧表で整理した上で、計算基礎・申告納付スケジュール・負担額の具体例を解説します。令和8年4月から導入される子ども・子育て支援金についても触れていますので、給与計算や人件費管理の実務にお役立てください。

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会社が負担する社会保険料の全体像

社会保険料は、労働者の医療・年金・失業・労働災害などの保障を社会全体で支えるために納める保険料です。

※本記事では、企業が負担する公的保険料の全体像を説明するため、労働保険(労災保険・雇用保険)を含めた「広義の社会保険」として解説します。

多くの制度では企業と労働者が保険料を分担しますが、制度によって負担方法は異なります。

企業負担が発生する主な制度は、以下の5つです。

  • 労災保険
  • 雇用保険
  • 健康保険
  • 厚生年金保険
  • 介護保険

なお、労災保険・雇用保険は「労働保険」、健康保険・厚生年金保険・介護保険は「社会保険(狭義)」に分類されます。

さらに、令和8(2026年)年4月からは、少子化対策の財源として「子ども・子育て支援金」が健康保険料に上乗せして徴収されます。

社会保険料は制度ごとに負担割合や計算方法が異なるほか、労働者の年齢や給与水準、地域、業種などによっても金額が変わるのが特徴です。

【一覧表】社会保険料の会社負担割合

会社が負担する社会保険料について、制度ごとの負担割合・料率の決まり方・見直しのタイミングをひと目で確認できるよう整理しました。

【社会保険料の会社負担割合一覧】

制度 対象(概要) 保険料負担割合企業:労働者 料率の決まり方 見直しのタイミング
労災保険 原則すべての労働者 100:0 業種別 3年毎
雇用保険 一定要件を満たす労働者 折半ではない(企業負担が大きい) 事業区分別(一般・建設など) 毎年度
健康保険 適用事業所の労働者 50:50 協会けんぽ:都道府県別/健保組合:加入先による 毎年度
厚生年金保険 適用事業所の労働者 50:50 全国一律 原則固定(法改正で見直し)
介護保険 40歳以上65歳未満の労働者 50:50 協会けんぽ:全国一律/健保組合:加入先による 毎年度
子ども・子育て支援金 医療保険の被保険者 50:50 協会けんぽ・健保組合・共済組合は国が一律の支援金率を設定 毎年度

※厚生年金保険の適用事業所は、上記とは別に「子ども・子育て拠出金(企業が全額負担)」の納付があります(「子ども・子育て支援金」とは別制度です)。

各制度の対象者・負担割合・特徴は、以下で解説します。

労災保険の会社負担

労災保険は、業務上または通勤による災害から労働者を保護する制度です。

【労災保険料の概要】

項目 内容
対象者 原則としてすべての労働者
負担割合(企業:労働者) 100:0(企業全額負担)
計算基礎 賃金総額
料率の特徴 業種別に設定(建設業や運送業などリスクの高い業種ほど高率)
※原則3年毎に4月改定(次回は令和9年(2027年)予定)
申告・納付 年度更新(6月1日〜7月10日)で申告・精算(土日祝を除く)

料率は「業種区分」によって細かく定められているため、事業内容に合った区分の確認が重要です。
関連記事:【令和8年(2026年)度】労災保険料率はいくら?業種別の料率や、保険料の計算方法を解説

雇用保険の会社負担

雇用保険は、失業や育児休業・介護休業、リスキリングといった教育訓練などに備える給付を支える制度です。

【雇用保険料の概要】

項目 内容
対象者 一定の要件を満たす労働者
負担割合(企業:労働者) 折半ではない(企業負担が大きい)
計算基礎 雇用保険の被保険者の賃金総額
料率の特徴 事業区分別に設定(一般・建設など)
※原則毎年4月改定
申告・納付 労災保険料と併せて年度更新(6月1日〜7月10日)で申告・精算

料率は「事業区分」で決まるため、複数事業を営む場合は適用区分の正確な判断が欠かせません。
関連記事:【令和8年度(2026年度)】雇用保険料率はいくら?会社負担・労働者負担を解説

健康保険の会社負担

健康保険は、労働者とその家族の医療を保障する公的医療保険制度です。

【健康保険料の概要】

項目 内容
対象者 適用事業所に使用される労働者(一定要件を満たす短時間労働者を含む)
負担割合(企業:労働者) 50:50(労使折半)
計算基礎 標準報酬月額(賞与は標準賞与額)
料率の特徴 協会けんぽ:都道府県別/健康保険組合:加入先による
※原則毎年改定(3月改定、4月納付分から反映)
申告・納付 毎月納付(翌月末)

協会けんぽ加入の場合、料率は都道府県ごとに毎年改定されるため、事業所所在地の最新料率を確認した上で給与計算に反映することが重要です。健康保険組合では料率が協会けんぽと異なるため、健保組合の場合は自社の加入先の情報を確認しておきましょう。
関連記事:【令和8年度(2026年度)】健康保険料率はいくら?会社負担・労働者負担を解説

厚生年金保険の会社負担

厚生年金保険は、老齢・障害・遺族に対する年金給付を支える公的年金制度です。

【厚生年金保険料の概要】

項目 内容
対象者 適用事業所に使用される労働者(一定要件を満たす短時間労働者を含む)
負担割合(企業:労働者) 50:50(企業負担9.15%)
計算基礎 標準報酬月額(賞与は標準賞与額)
料率の特徴 全国一律18.3%(原則固定)
申告・納付 毎月納付(翌月末)、賞与にも保険料がかかる

厚生年金保険料は標準報酬月額だけでなく、賞与にもかかります。そのため、賞与支給月の企業負担を事前に把握しておくと、資金計画を立てやすくなります。

なお、厚生年金保険の適用事業所は、厚生年金保険料とは別に「子ども・子育て拠出金(企業が全額負担)」も納付します。

介護保険の会社負担

介護保険は、高齢者や介護が必要な方を社会全体で支える制度です。

【介護保険料の概要】

項目 内容
対象者 40歳以上65歳未満の第2号被保険者(社会保険加入者)
負担割合(企業:労働者) 50:50(労使折半)
計算基礎 標準報酬月額(賞与は標準賞与額)
料率の特徴 協会けんぽ:全国一律/健康保険組合:加入先による
※原則毎年改定(3月改定、4月納付分から反映)
申告・納付 毎月納付(翌月末)

厚生年金保険料と同様に、月々の給与だけでなく賞与からも保険料が徴収されます。

さらに、40歳到達の労働者が増えると、介護保険料の納付額も増え企業負担も増加するため、対象者の正確な把握が求められます。

子ども・子育て支援金の会社負担

子ども・子育て支援金は、児童手当や育休給付の拡充など、子ども・子育て支援の財源として企業が負担する支援金です。

【子ども・子育て支援金の概要】

項目 内容
対象者 適用事業所に使用される労働者(一定要件を満たす短時間労働者を含む)
負担割合(企業:労働者) 50:50(労使折半)
計算基礎 標準報酬月額(賞与は標準賞与額)
料率の特徴 協会けんぽ・組合健保・共済健保の場合は国が一律の支援金率を示す(毎年度)
申告・納付 毎月納付(翌月末)、医療保険料(健康保険等)とあわせて納付

令和8年度4月分から導入(5月から徴収)される新しい制度のため、給与計算ソフトの料率設定や控除額に誤りがないか、事前に確認しておくと安心です。

関連記事:【2026年度最新|専門家が解説】子ども・子育て支援金とは?中小企業が知るべき制度内容と企業への影響

社会保険料の計算基礎|賃金総額・標準報酬月額

社会保険料の計算基礎は、制度によって「賃金総額」と「標準報酬月額(標準賞与額)」に分かれます。

【社会保険料の算定基礎と対象制度】

計算基礎 対象制度
賃金総額 労災保険、雇用保険
標準報酬月額(標準賞与額) 健康保険、厚生年金、介護保険、子ども・子育て支援金

ここでは、それぞれの算定基礎の概要を解説します。

賃金総額|労働保険の計算基礎

賃金総額は、企業が労働者へ支払った賃金の合計額を指します。税金や社会保険料などを控除する前の「総支給額」を基準に、基本給のほか各種手当や賞与など労働の対価として支払うものが含まれます。

関連記事:【労働保険の担当者必見!】賃金総額とは?含まれるもの・含まれないもの一覧と計算方法を徹底解説

標準報酬月額・標準賞与額|社会保険の計算基礎

標準報酬月額は、労働者の月々の給与を一定の幅で区分した等級の金額を指します。2026年3月現在、健康保険は50等級・厚生年金保険は32等級に分かれており、2027年9月からは厚生年金保険の標準報酬月額の上限が段階的に引き上げられる予定です。

標準報酬月額は、以下の3つのタイミングで決定・見直しされます。

  • 資格取得時:入社時など、被保険者資格を取得した際に、最初の報酬をもとに決定します。
  • 定時決定(算定基礎届):毎年7月に提出する算定基礎届をもとに、4〜6月の報酬平均から見直します。新しい標準報酬月額は9月分保険料から適用されます。
  • 随時改定:昇給や降給など固定的賃金に大きな変動があった場合に、算定基礎届を待たずに見直します。

実際の給与が、そのまま計算基礎になるわけではない点に注意しましょう。

なお、標準賞与額とは、支給された賞与額の1,000円未満を切り捨てた金額です。賞与支給月は月例給与に加えて保険料が発生するため、賞与支給月の企業負担を事前に把握しておくと資金計画を立てやすくなります。

関連記事:【2027年9月開始】厚生年金の標準報酬月額の上限引き上げ|企業が今すぐ準備すべきこと

社会保険料の会社負担額の目安

社会保険料の会社負担額は労働者の年齢や賃金水準、地域、業種によって異なりますが、一般的な企業負担目安は、給与の約15〜16%といわれています。

以下は、月給30万円(標準報酬月額30万円)の労働者(Aさん)を想定した令和7年度の試算例です。

【試算条件】Aさん

  • 業種:小売業
  • 勤務地:東京(協会けんぽ)
  • 年齢:45歳
  • 時期:令和8年(2026年)3月

【企業と労働者の保険料負担】

制度 企業負担率 企業負担額(月額) 労働者負担(月額)
労災保険 0.3% 900円
雇用保険 0.9% 2,700円 1,650円
健康保険 4.955% 14,865円 14,865円
厚生年金保険 9.15% 27,450円 27,450円
(子ども・子育て拠出金) 0.36% 1,080円
介護保険料 0.795% 2,385円 2,385円
合計 約16.46% 約49,380円 約46,350円

※令和8年(2026年)4月から始まる「子ども・子育て支援金」は、上記の試算に含まれていません(含む場合は、労使ともに345円(企業負担率0.115%)追加)。

このように、月給30万円の労働者を雇用した場合、企業が毎月負担する社会保険料は約5万円(約16%相当)です。

さらに、賞与支給月には標準賞与額ベースの保険料も加算されます。たとえば、賞与として20万円を支給した場合、企業の保険料負担は約3.3万円程度増加します(20万×16.46%=3万2920円)。

社会保険料は給与や賞与に応じて企業負担が増減するため、まずは目安となる水準を把握し、人件費管理や資金計画に活かしていくことが大切です。

社会保険料の申告・納付スケジュール

社会保険料の申告・納付のタイミングは、労働保険と社会保険で大きく異なります。

それぞれの年間スケジュールは以下のとおりです。

労働保険|年度単位で申告・精算(年度更新)

労働保険(労災保険・雇用保険)は、年度更新(6月1日〜7月10日)で、前年度の確定保険料と当年度の概算保険料をあわせて申告し、差額を精算します。

納付期限は7月10日です。企業は、管轄の都道府県労働局へ手続き(窓口提出・郵送・電子申請など)を行います。

主な年間スケジュールは以下のとおりです。

  • 4月:新年度料率適用
  • 6月1日〜7月10日:年度更新(土日祝除く)

期限を過ぎると、追徴金(保険料の10%)が発生する場合があるため、期限管理が重要です。また、パート・アルバイトや年度途中の入退社者の賃金も賃金総額に含めるため、人員の移動や雇用形態の変更があった際はこまめに確認しておくと安心です。

関連記事:労働保険とは?労災保険・雇用保険との違いから加入条件をわかりやすく解説!

社会保険|毎月納付・年1回の見直し

社会保険(健康保険、厚生年金保険、介護保険)および子ども・子育て支援金は、原則として毎月翌月末までに年金事務所(日本年金機構)へ納付します。

企業は、標準報酬月額(賞与は標準賞与額)を基に保険料を算定し、毎月の給与計算とあわせて納付します。

主な年間スケジュールは以下のとおりです。

  • 3月:健康保険・介護保険の料率改定
  • 4月:4月分から新料率で納付
  • 7月:定時決定(算定基礎届)の提出
  • 9月:標準報酬月額の改定(9月分保険料から反映、翌月10月納付分)

社会保険は毎月納付が発生するため、料率改定や標準報酬月額の改定、賞与支給月の設定変更を見落とさないよう、手順を把握しておきましょう。

関連記事:社会保険とは?概要から保険料の計算方法まで徹底解説!

会社が負担する社会保険料についてよくある質問

会社が負担する社会保険料について、実務担当者のよくある質問をまとめました。

Q1|社会保険料はいつから発生しますか?

A1、社会保険と労働保険では、保険料が発生するタイミングが異なります。

社会保険(健康保険・厚生年金保険・介護保険)は、原則として資格取得日が属する月から保険料が発生します。なお、健康保険・厚生年金保険は資格喪失日の属する月の前月分までが保険料の対象です。介護保険料は、40歳以上65歳未満の労働者が対象となります。

労働保険(労災保険・雇用保険)は、雇用した日から保険料算定の対象となります。年度単位で申告・精算するため、採用時から賃金総額に含めて管理しておくことが重要です。

Q2|社会保険料の企業負担が増加するタイミングはいつですか?

A2、大きくわけて3つあります。

  • 賞与支給月(標準賞与額に基づき保険料が発生)
  • 労働者が40歳に到達した月(介護保険料の対象開始)
  • 労働者の給与を大幅に増額したとき(随時改定)

特に、40歳到達時の介護保険料発生は見落としやすいため、対象者を月次で把握しておきましょう。

Q3|育休・産休中の社会保険料はどうなりますか?

A3、社会保険は、企業が年金事務所に申出ることで、企業負担・本人負担がともに免除されます。

一方、労働保険は労働の対価として支払われた賃金に対して算出するため、休業中に賃金の支払いがない場合は保険料は発生しません。

Q4|社会保険料の納付義務を怠った場合はどのような罰則がありますか?

A4、加入要件を満たしているにもかかわらず未加入の場合、保険料を原則2年分遡って徴収される可能性があります。

さらに、未納や手続き遅延があると、労働保険では追徴金、社会保険では延滞金などが発生し、悪質なケースでは6か月以下の懲役または罰金(労働保険は30万円以下、社会保険は50万円以下)が科される可能性もあります。

また、労働保険が未加入の状態で業務災害が発生した場合は、企業に大きな負担が生じるおそれがあります。社会保険が未加入の場合は、労働者の保険給付や将来の年金額に影響する可能性があるため注意が必要です。

こうしたリスクを避けるためにも、加入要件を正しく把握し、適切に手続きを行うことが重要です。

まとめ|社会保険料の会社負担は制度理解と適切な管理が重要

本記事では、企業が負担する社会保険料について、制度の種類や負担割合、計算基礎、会社負担額の目安、申告・納付スケジュールなどを整理しました。

企業が負担する社会保険料は、給与の約15〜16%程度が企業負担の目安とされ、人件費の中でも大きな割合を占めます。賞与支給月や40歳到達、給与の大幅な変動によって企業負担が増減するため、変動を前提とした人件費管理が求められます。

また、制度ごとに申告・納付のタイミングが異なるため、年間スケジュールを把握した上で給与計算に反映しておくことが重要です。

控除額や納付額のミスによる労使間のトラブルを防ぐためにも、社労士と連携しながら正確な保険料の算出・納付体制を整えておきましょう。

社会保険料について社労士に相談する

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初回相談が無料の社労士も多いため、事務所のスタンスや人柄をしっかり見極めた上で依頼しましょう。

執筆者

中小企業福祉事業団 編集部

 
日本最大級の民間社労士団体として、社労士を介して中小企業を支援する活動を行っています。本サイト「社労士ナビ」は、課題を抱える中小企業が、課題を解決できる社労士を探して、巡り合えるように構築しました。「社労士ナビ」が中小企業の人事・労務課題を解決する一助になれば幸いです。

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