
北村 博昭氏 インタビュー
これまでの成功事例をお聞かせいただけますでしょうか?
年金に関する事例をお話します。顧問先の社長から「65歳になるので、今後報酬や年金などを併せてどのようにしたらいいか」という相談を受けた際に、社長の年金証書を拝見してみたところ日頃お聞きしている職歴年数と証書の厚生年金加入期間がやや少ないのではないかと感じ、委任状をいただいた上で証書をお借りし、すぐに社会保険事務所に行きました。社長は年金のことは全くご存じなく、裁定請求の手続きは、年金の口座開設の際に銀行の担当者が行ったそうです。
社会保険事務所で年金記録の再調査をお願いしたところ、事業所4ヶ所ほど同じ氏名と生年月日の記録が出てきました。その部分が加算されていなかったのですね。加算されていないものを合計すると76ヶ月分もありました。そこで改めて年金証書の再発行の手続きをした結果、年金額が年間で10万円ほど増額しました。宙に浮いた年金記録の中で、もらい忘れるところだったのです。これはとても喜ばれましたね。
精神障害の発症が絡んだ事例もあるとのことですね?
つい最近契約した顧問先から連絡があって、「1週間前に入社した従業員がどうもおかしい。昼休みに急に奇声を発したり、仕事中も仕事が手につかずボーッとしている。それが入社3日後から始まった」と責任者の方が言うのです。同僚も仕事に支障をきたしているとのこと。人材紹介会社から紹介された、1部上場の大手商社を退職された方で、学歴もそこそこだということで採用を決めた。ところが入社した途端そんな状態でどうしたらいいだろうという相談でした。「じゃあ就業規則を見ましょう、試用期間の2週間以内だし、何とかできるかもしれません」ということになって就業規則を確認したのですが、試用期間についての記載はありませんでした。
そこで、まずはご本人に病院に行って診断書をもらってくるようにとお話しをし、病院に行かせたら、すぐに入院しないと生命に関わる重い精神障害との診断でした。会社としては本人と接触できない状態ですから、親御さんに連絡して、今後の勤務が困難な状況であり辞めていただけるかとご相談したのですが、「うちの子に限って」とトラブってしまいました。この場合、業務不能ですが労災とは性質が違います。労務不能ということで解雇の対象にはなりますが、お互いの合意退職にするにしても本人は入院しており、判断が付けられない状態です。会社は親御さんと話合いをしましたが、結局合意に至らず、止む無く解雇通知書を作成してあげて会社が発送し、併せて解雇予告手当を30日分支払いました。その後、親御さんからの申入れで解雇でなく合意退職の希望もあり、見舞金支払いの合意書を作りお辞めいただいたわけですが、一件落着後、直ちに就業規則の試用期間の部分を改定しました。本件は、会社と弁護士と社労士が連携をとり、解決した事例で感謝されました。
その他にもございますか?
懲戒解雇した事例で、労働基準監督署から解雇予告の除外認定を受け懲戒解雇しましたが、労働者は労働局にあっせん申請を行いました。解雇前に停職処分を受けていたから、更に懲戒解雇とは一時不再理に当たり本解雇は無効であり、慰謝料と損害賠償を請求してきました。事業主からあっせん申請を受けるか否かの相談を受けましたが、まずやるべきこととして停職期間は休業手当を支払うよう助言しました。処分を決定するまでの検討期間であり、再発防止のため休職を命じたもので停職処分とは異なると労働局に答弁を行いました。あっせんの当日は、保佐人として同席し、事業主の主張を述べるためのお膳立てをした結果、1ヶ月分の賃金支払いで合意に至りました。
最近、労働局からあっせん申請の通知を受けたとの相談が度々ありますが、当事務所の基本姿勢は、代理人としてではなく、むしろ保佐人として事業主に付添い、事業主の思いを十分述べていただけるような環境を作り出す役割を務めさせていただいております。しかし、あっせん申請は金銭的解決を図ることが多いため、互譲の精神をもって参加していますが、約半日費やしても結局折り合いがつかず、あっせん打ち切りというケースも見受けられます。その後、訴訟・労働審判に移ることも踏まえ、申請書または答弁書はそれなりに十分吟味して作成する必要があります。
事務所の特長、今後の方針などをお聞かせ下さい。
30年間のサラリーマン生活で培った実務経験が十分活かされています。人事労務部門はもちろんのこと、労働組合執行部、株主総会事務局、経理部門、与信管理部門などの実務を経験しました。顧問先様から、人事労務問題のみならず、利益管理制度の構築や株主総会の議事録作成の相談、滞留売掛金回収の相談などにも助言をさせていただいております。 今後は、2名の社労士で顧問先様に対し、キメ細かくかつ機動的なサービス提供を行っていく方針です。
企業からの1回目の相談は無料とのことですね?
事務所の基本姿勢を知ってもらうためには無料が良いのでは?と思ったのです。相談は電話・来社・ファクス・メールどれでも可能です。初めての人でも堅苦しさや戸惑いを持たずに、どんな小さな相談でも気軽にしていただき、誠心誠意で対応していくつもりです。
個人の方からのご相談も受け付けているのですか?
個人の方もやはり年金の問題だとか、労使の問題でお困りの方も多いのではないでしょうか。それを専門的に相談したいという方もいらっしゃるでしょうから、個人の方からのご相談ももちろん受け付けています。
そのほか、事務所の“売り”と言える部分はありますか?
創業支援、労務トラブル解決支援などでは、弁理士、司法書士、税理士などの専門家と連携し対応いたしますので、ヨロズ相談はお任せください。
最後にご自身についてお聞かせ下さい。
多忙のときも業務のご依頼があると、つい依頼者の気持ちになってしまい、断り切れず仕事を抱え込んでしまい、その期限まで苦労することもたびたびあります。
②労働保険・社会保険関係の手続代行
③就業規則、賃金規定など規則・規定の見直し、策定
④助成金
⑤人事・給与制度などの制度改定、策定
⑥個別労働関係紛争の解決
⑦年金相談
⑧創業サポート
⑨よろず相談