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社会保険・労働保険
更新日:2026 / 08 / 19
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雇用保険とは?加入要件・給付・手続きと企業が押さえておきたい要点を解説

雇用保険は、労働者を1人でも雇う事業所であれば、原則として加入が必要になる制度です。失業したときに支給される基本手当だけでなく、育児や介護による休業、学び直しの期間まで、幅広く労働者の生活を支えます。

一方で、いざ実務となると、「パートは加入対象になるのか」「入退社のときは何を、いつまでに手続きすればよいのか」「保険料の負担はいくらか」と、迷う場面は少なくありません。

この記事では、雇用保険の加入要件や給付の種類、入退社時の手続き、担当者がつまずきやすい実務のポイントまで解説します。雇用保険制度を理解し、手続きや労働者への対応をスムーズに進めるための備えにお役立てください。

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雇用保険とは?

雇用保険とは、労働者が失業したときや、育児・介護などで働き続けることが難しくなったとき、教育訓練を受けるときなどに、生活および雇用の安定と就職の促進を支えるための公的な保険制度です。

労災保険とともに「労働保険」を構成し、農林水産業の一部を除き、労働者を雇用する事業は業種や規模を問わず雇用保険の適用事業となります。

企業が要件を満たす労働者を雇用した場合は、雇用保険の資格取得届の提出や保険料の納付などの手続きが必要です。

労働保険全体の仕組みや加入要件、労災保険の対象者や給付内容については、以下の記事でそれぞれ解説しています。あわせてご覧ください。

関連記事:労働保険とは?労災保険・雇用保険との違いから加入条件をわかりやすく解説!

関連記事:労災保険とは?対象者・給付・手続きと企業が知っておきたい実務対応を解説

雇用保険の保険料|企業と労働者の双方が負担する

雇用保険料は、企業と労働者の双方がそれぞれ負担します。料率は、雇用保険財政の収支や失業率などをふまえて毎年見直されます。

令和8年度(2026年度)の雇用保険料率は、一般の事業で13.5/1,000です。令和7年度の14.5/1,000から1.0/1,000引き下げられ、令和7年度に続く2年連続の引き下げとなりました。

負担割合の内訳は、以下のとおりです。

【一般の事業の雇用保険料率(令和8年度)】

区分 労働者負担 事業主負担
失業等給付・育児休業給付 5/1,000 5/1,000
雇用保険二事業※ 負担なし 3.5/1,000
合計 5/1,000 8.5/1,000

(適用期間:2026年4月1日から2027年3月31日まで)

※雇用保険二事業とは、雇用安定事業と能力開発事業を指します。失業の予防、雇用機会の増大、労働者の能力開発などに活用され、保険料は事業主のみが負担します。

出典:厚生労働省|令和8(2026)年度雇用保険料率のご案内

なお、農林水産・清酒製造の事業と建設の事業は「特掲事業」と呼ばれ、一般の事業より料率が高く設定されています。

保険料率の負担割合や事業区分ごとの違い、計算の手順は、以下の記事でくわしく解説しています。あわせてご覧ください。

関連記事:【令和8年度(2026年度)】雇用保険料率はいくら?会社負担・労働者負担を解説

雇用保険の加入要件と対象者

雇用保険は、加入を希望するかどうかにかかわらず、要件を満たした時点で加入が義務づけられる制度です。また、要件を満たさない人を、企業や労働者の希望だけで任意に加入させることはできません。

ここでは、雇用保険の加入対象になる方・ならない方について、加入要件とあわせて整理します。

加入対象になる方

契約社員やパート・アルバイトなどであっても、次の2つをいずれも満たせば加入対象です。

雇用保険の加入要件

  1. 週の所定労働時間が20時間以上であること
  2. 同一の事業主に31日以上引き続き雇用される見込みがあること

注意すべきは、判定の基準が「実際に働いた時間」ではなく「所定労働時間」である点です。雇用契約や労働条件通知書で定めた週の所定労働時間が20時間以上であれば、ある週がたまたま20時間未満だったとしても加入対象です。

シフト制で所定労働時間が一定しない場合は、原則として雇用契約書や労働条件通知書の定めをもとに判断します。ただし、契約上の定めがない場合や、契約内容と実際の勤務時間に常態的な乖離がある場合は、実際の勤務時間に基づいて判断されることがあります。

関連記事:所定労働時間とは?他の労働時間との違いや、実務上の注意点を徹底解説

なお、この週20時間という基準は、令和10(2028)年10月1日から週10時間以上へ引き下げられ、加入対象が広がる予定です。短時間労働者を多く雇う企業ほど影響が大きいため、早めの準備を進めましょう。

改正の内容や企業に求められる対策は、以下の記事をご覧ください。

関連記事:【最新情報!】2028年10月1日施行。雇用保険が「週10時間」以上に適用拡大!企業への影響と求められる対策とは

加入対象にならない方

上記2つの要件を満たす場合であっても、以下のような立場の方は、原則として雇用保険の対象外です。

  • 昼間部の学生
  • 法人の代表者や役員(労働者としての実態がある場合を除く)
  • 事業主と同居の親族
  • すでに他の企業で雇用保険に加入している場合の、副業先での重複加入

学生については、原則として昼間部の学生が加入対象外となり、通信教育・夜間・定時制の学生は、要件を満たせば被保険者になります。

また、昼間部の学生であっても、卒業見込証明書を持ち卒業前に就職して卒業後も同じ事業所で働く予定の人、休学中の人、会社に在籍しながら了承を得て大学院などに通う人は、例外として被保険者です。

とくに、卒業を控えた学生をそのまま採用するケースは注意が必要です。在学中は「昼間部の学生だから対象外」と判断しがちですが、卒業後も継続して働く予定であれば加入対象になります。新卒の入社前後で、手続きの要否を確認しておきましょう。

参考:厚生労働省|第4章被保険者について(PDF)

雇用保険で受けられる給付の種類

雇用保険の給付は、失業時の基本手当だけではありません。再就職、学び直し、高年齢期の就労継続、育児や介護まで、働き続けるうえでのさまざまな場面を支えています。

主な給付は「失業等給付」と「育児休業等給付」に大別され、区分は以下の6つに分かれます。

【雇用保険制度の概要】

※区分のリンクからそれぞれの給付解説へジャンプできます。

大分類 給付の区分 主な給付 支えられる場面
失業等給付 求職者給付 基本手当(失業手当)など 離職して求職活動をするとき
失業等給付 就職促進給付 再就職手当など 早期に再就職したとき
失業等給付 教育訓練給付 教育訓練給付金・教育訓練休暇給付金 学び直しのとき
失業等給付 雇用継続給付 高年齢雇用継続給付・介護休業給付 60歳以降の就労継続や家族の介護のとき
育児休業等給付 育児休業給付 育児休業給付金・出生時育児休業給付金 育児で休業するとき
育児休業等給付 出生後休業支援給付・育児時短就業給付 出生後休業支援給付金・育児時短就業給付金 子の出生直後の育休・2歳未満の子を養育するための時短勤務のとき

出典:厚生労働省|雇用保険制度の概要(体系)

ここでは、それぞれの給付区分を順に整理します。

求職者給付(基本手当)|失業中の生活と求職活動を支える

雇用保険の中心となる給付が、基本手当(いわゆる失業手当)です。離職後、次の仕事が決まるまでの求職活動期間に、生活の支えとして支給されます。

対象は、原則として離職前の2年間に被保険者期間が通算12か月以上ある人で、働く意思と能力があり、積極的に求職活動を行っているにもかかわらず就職できない状態にあることが条件です。倒産・解雇等の理由や、雇止めその他やむを得ない理由により離職した場合は、離職前1年間に通算6か月以上で対象になります。

手当を受け取るためには、離職票をハローワークに提出し、求職の申し込みを行う必要があります。

金額は、離職前賃金のおおむね50%〜80%です。賃金が低い人ほど割合が高くなる仕組みで、年齢ごとに上限額も定められています。受給できる期間は原則として離職日の翌日から1年間です。ただし、この1年間ずっと支給されるわけではなく、離職理由・年齢・被保険者であった期間に応じて定められた所定給付日数を限度に支給されます。

参考:ハローワーク|基本手当について

就職促進給付|早期の再就職・就業を後押しする

早期の再就職を後押しするための給付です。代表的な給付が「再就職手当」で、受給資格の決定を受けた人が、支給日数を一定以上残して安定した職業に就いた場合や、一定の要件を満たして事業を開始した場合に支給されます。

金額は、再就職の時点で残っていた基本手当の支給日数(支給残日数)に応じて決まります。たとえば、支給残日数が所定給付日数の3分の2以上あれば残りの基本手当の70%、3分の1以上あれば60%という給付率です。早く再就職するほど給付率が高くなる仕組みです。

さらに、再就職手当を受けた人が再就職先に6か月以上雇用され、その6か月間の賃金が離職前より低かった場合には、差額の一部を補う「就業促進定着手当」を受けられます。このほか、遠方への就職にともなう転居を支える移転費などもあります。

参考:厚生労働省|就職促進給付について

教育訓練給付|学び直しやキャリア形成を支える

労働者の主体的な学び直しを支える給付です。厚生労働大臣が指定した講座を受講・修了すると、受講費用の一部が支給されます。対象となる講座は、キャリア形成に資する度合いに応じて3つの区分に分かれ、区分ごとに最大の給付率が変わります。

  • 専門実践教育訓練(最大給付率80%):中長期的なキャリア形成に資する訓練が対象
  • 特定一般教育訓練(最大給付率50%):速やかな再就職や早期のキャリア形成に資する訓練が対象
  • 一般教育訓練(給付率20%):その他、雇用の安定や就職の促進に資する訓練が対象

なお、この教育訓練給付に、令和7(2025)年10月から新しい給付「教育訓練休暇給付金」が加わりました。

雇用保険の一般被保険者が、職業に関する教育訓練を受けるために連続した30日以上の無給休暇を自発的に取得した場合、その期間中、基本手当に相当する額が支給されます。労働者が離職せずに教育訓練に専念しやすくするための制度です。

ただし、受給するには休暇開始前に被保険者であった期間が5年以上あることなどの要件があり、就業規則などに教育訓練休暇の制度を定めておく必要があります。制度を活用したい企業は、規程の整備から検討するとよいでしょう。

参考:ハローワーク|教育訓練給付金

参考:厚生労働省|令和7年10月から「教育訓練休暇給付金」が創設されます

雇用継続給付|高年齢期や介護中の就業継続を支える

雇用継続給付は、加齢や家族の介護といった事情で働き続けることが難しくなった場面で、賃金の低下や休業による収入減を補い、離職を防ぐための給付です。高年齢雇用継続給付と介護休業給付の2つがあります。

  • 高年齢雇用継続給付:60歳以上65歳未満の労働者が、60歳到達時点と比べて賃金が75%未満に下がった状態で働き続ける場合に支給される給付。令和7年4月1日以降に60歳に達した人等は、各月に支払われた賃金の最大10%が支給される
  • 介護休業給付:労働者が家族の介護のために休業した場合に、休業前賃金の67%相当額が、同じ対象家族について通算93日を限度に3回まで支給される給付

なお、高年齢雇用継続給付は縮小の方向にあります。背景には、65歳までの雇用確保が法制度として定着し、給付による下支えの必要性が変化したことが挙げられます。

定年後の再雇用で賃金を下げる際に、この給付の上乗せを見込んで手取りを設計している企業は注意が必要です。支給率の上限が下がると、想定していた手取りを確保できず、本人が「聞いていた金額と違う」と感じる原因になります。

再雇用の条件を決めるときは、給付の変更を反映したうえで、本人へ事前に説明しておきましょう。

参考:ハローワーク|雇用継続給付

育児休業等給付|子の出生・育児に伴う休業や時短勤務を支える

出産や育児で休業する労働者の生活を支える給付です。令和7(2025)年4月の改正により、出生後休業支援給付金と育児時短就業給付金が創設され、育児に関する雇用保険の給付は「育児休業等給付」として整理されています。

現在の育児休業等給付の種類は以下の4つです。

  • 育児休業給付金:1歳未満の子を育てるために育児休業を取得した場合、休業前の賃金の67%が支給される(181日目以降は50%)
  • 出生時育児休業給付金:子の出生後8週間以内に育児休業を取得した場合、休業前の賃金の67%が支給される(最大28日)
  • 出生後休業支援給付金(新設):子の出生直後の一定期間内に、原則として両親ともに14日以上の育児休業を取得した場合、最大28日間、休業開始時賃金日額の13%相当額が支給される。出生時育児休業給付金または育児休業給付金と合わせると、給付率は80%となる
  • 育児時短就業給付金(新設):2歳未満の子を養育するために時短勤務を行い、時短就業前と比べて賃金が低下するなどの要件を満たす場合、支給対象月に支払われた賃金額の10%相当額が支給される

なお、出生後休業支援給付金と育児時短就業給付金には、雇用保険料ではなく、全世代や企業から拠出される子ども・子育て支援金が充てられます。

申請は、いずれも通常の育児休業給付金の手続きとあわせて行います。人事・労務の担当者は最新の様式を使い、配偶者の育児休業の取得状況など必要な情報を漏れなく確認し、手続きを進めていきましょう。

関連記事:【実務ガイド】育児休業給付金支給申請書の書き方と必要な書類・申請手順を詳しく解説!

参考:厚生労働省|育児休業等給付について

雇用保険の手続き|労働保険の成立・労働者の入退社時の対応

雇用保険の手続きは、大きく「事業所として初めて加入するとき」と「その後、労働者の入退社のたびに行うとき」に分かれます。

事業所として初めて加入するとき

一般の事業所が初めて労働者を雇う場合は、まず労働基準監督署で労働保険の成立手続きを行い、続いてハローワークで雇用保険の手続きを行います。

必要な書類と提出先、提出のタイミングは以下のとおりです。

【事業所として初めて加入するときの主な届出】

届出 提出先 提出のタイミング
労働保険 保険関係成立届 労働基準監督署※ 最初に労働者を雇った日の翌日から10日以内
雇用保険適用事業所設置届 ハローワーク 保険関係が成立した日の翌日から10日以内
雇用保険被保険者資格取得届 ハローワーク 被保険者となった日の属する月の翌月10日まで

※農林水産業や建設業等(二元適用事業)は、労働保険保険関係成立届をハローワークにも提出します。

あわせて、保険関係成立届を出す際には、その年度分の労働保険料を見込みで前払いする「労働保険概算保険料申告書」を申告・納付します。実務上は、保険関係成立届とあわせて準備・提出することが多いですが、期限は成立日の翌日から50日以内です。

なお、資格取得届などの提出時には、対象となる労働者のマイナンバー(個人番号)の記載が必要です。入社時に本人確認とあわせて取得し、適切に管理しておきましょう。

労働者を雇用したとき

事業所の手続きが済んだあとは、雇用保険の対象となる労働者を雇うたびに「雇用保険被保険者資格取得届」を提出します。提出期限は、原則として資格取得日の属する月の翌月10日までです。

雇用してから提出までの期限が短いため、入社手続きのチェックリストに組み込んでおくと、出し忘れを防止でき安心です。

労働者が離職したとき

労働者が離職した場合は、「雇用保険被保険者資格喪失届」とあわせて「離職証明書」を、被保険者でなくなった日の翌日から起算して10日以内に提出します。

離職証明書をもとに交付された「離職票」は、離職した本人がハローワークで基本手当を申請する際に使用します。とくに離職理由の記載は、本人が受け取る給付の内容に関わるため、事実に基づいて正確に記入しましょう。

参考:厚生労働省|手続き一覧表

雇用保険について担当者が知っておきたい実務ポイント

雇用保険は、制度を知っているだけでなく、実務で正しく運用できることが重要です。

とくに、パート・アルバイトの加入要件、入社・退職時の申請、離職票の記載は、担当者がつまずきやすいポイントです。

ここでは、関連する制度改正もふまえながら、人事・労務の担当者が押さえておきたい実務上の注意点を整理します。

社会保険に加入しない短時間労働者でも雇用保険は必要

雇用保険と社会保険は、加入要件や手続きが異なります。社会保険(健康保険・厚生年金保険)の加入対象ではない短時間労働者でも、雇用保険の要件を満たせば加入が必要になるため、それぞれの要件に沿って判定しなければなりません。

パート・アルバイトなどの短時間労働者でも、「週の所定労働時間が20時間以上」かつ「同一の事業主に31日以上引き続き雇用される見込み」がある場合は、雇用保険の加入対象となります。

とくに、契約変更で週20時間以上になったのに手続きが漏れている、シフトの実態と契約内容が合っていない、といったケースでは加入漏れが起こりがちです。雇用契約の内容を定期的に確認し、要件を満たした時点で速やかに手続きを進めることが大切です。

加入漏れが判明した場合は、原則として2年前までさかのぼって手続きを行います。ただし、給与から雇用保険料を控除していたことが確認できる資料がある場合などは、2年を超えて確認されることもあるため、早めにハローワークへ相談しましょう。

関連記事:雇用保険に未加入だとどうなる?罰則・是正手続きのポイント・企業の注意点を解説!

令和10(2028)年の改正に向けて、短時間労働者を洗い出しておく

令和10(2028)年10月から、雇用保険の加入基準は、週所定労働時間20時間以上から10時間以上へ引き下げられる予定です。これにより、現在は加入対象外となっている短時間のパート・アルバイトも、新たに雇用保険の対象になる可能性があります。

短時間労働者を多く雇用している企業では、施行と同時に多くの労働者が新たに加入対象になります。届出の事務や保険料の負担が一度に増えるため、早めに対象者を洗い出しておくことが大切です。

週10時間以上20時間未満で働く人が何人いるか、雇用契約書の所定労働時間と実際のシフトにズレがないか、加入者が増えた場合の保険料負担はどの程度かを、施行前に確認しておきましょう。

複数の事業所で働く65歳以上の労働者は「マルチジョブホルダー制度」に注意

高年齢期の労働者で気をつけたいのが、「雇用保険マルチジョブホルダー制度」です。

通常の雇用保険は会社が加入手続きを行いますが、この制度は本人の申出によって加入する点が異なります。会社が「自社では加入要件を満たさない」と判断していても、本人が複数の勤務先を合算して申し出れば加入対象になるため、見落としやすい仕組みです。

対象になるのは、複数の事業所で働く労働者で、以下のすべての要件に当てはまる方です。

  • 65歳以上であること
  • 2つの事業所に雇用され、それぞれで31日以上の雇用見込みがあること
  • 2つの事業所の週所定労働時間を合計して20時間以上であること(1つの事業所あたりは5時間以上20時間未満)
    ※対象となる2つの事業所は、異なる事業主の事業所であること

企業は、労働者から証明を求められた場合、速やかに対応する必要があります。また、申出を行ったことを理由に不利益な取扱いをしてはいけません。本人から希望があった場合に速やかに対応できるよう、雇用契約や労働時間を正確に記録しておきましょう。

参考:厚生労働省|雇用保険マルチジョブホルダー制度

離職票の「離職理由」は正確に記入する

退職時の対応で特に注意したいのが、離職票に記載する離職理由です。

離職理由は、基本手当の受給開始時期や給付日数に影響します。事業主都合による離職か、自己都合による離職か、また正当な理由があるかによって扱いが変わるため、企業側の判断だけで安易に整理せず、退職に至った経緯を事実に基づいて確認することが大切です。

本人との認識にズレがあると、離職票の内容についてトラブルにつながる可能性もあるため、作成時には記載内容を丁寧に確認する必要があります。

実務では、退職届、退職勧奨の有無、雇止め通知、解雇通知、面談記録、契約更新時のやり取りなど、離職理由の根拠となる資料を残しておきましょう。

関連記事:【企業向け】離職票とは?交付手続き・必要書類・記載ルールをわかりやすく解説

雇用保険の実務で社労士ができること

雇用保険の実務は、対象となる給付や届出の種類が多く、それぞれに短い期限が定められています。さらに、給付の新設や適用拡大など、制度改正もたびたび行われます。

これらの確認や対応に追われ、「本来注力したい採用や人材育成にまで手が回らない」という声も少なくありません。

たとえば、次のような業務について社労士に相談できます。

  • 週20時間前後で働く人が、加入の対象になるかどうかの確認
  • 入社・退社にともなう資格取得届や資格喪失届、離職証明書の作成
  • 育児休業等給付や教育訓練休暇給付金といった、新しい給付の支給申請
  • 年度更新にあわせた、雇用保険料を含む労働保険料の集計と申告
  • 2028年の適用拡大に向けた、対象になる人の洗い出しや費用の試算

定型的な手続きや法改正への対応を社労士に相談・依頼できれば、担当者は自社にしかできない業務に時間を使いやすくなるでしょう。

まとめ|雇用保険の手続きに悩んだら社労士へ相談を

本記事では、雇用保険の加入要件や給付の種類、入退社時の手続き、そして担当者が押さえておきたい実務ポイントを解説しました。

雇用保険は、労働者を1人でも雇えば原則として加入義務があり、パートやアルバイトも要件を満たせば対象です。給付は基本手当だけでなく、再就職や学び直し、育児・介護まで幅広く労働者を支え、離職をやわらげることで企業の安定した運営も後押しします。

一方で、加入要件の判定や入退社時の届出、毎年の保険料申告に加え、給付制限の短縮や2028年の適用拡大など、制度は頻繁に変わります。これらを本業のかたわらで正確に進めるのは、担当者にとって負担の大きい作業です。

申請や書類作成といった手続きは、社労士に任せれば、法改正にも対応しながらミスなく進めてもらえます。企業は業務の負担をおさえ、本来の事業運営に専念できるでしょう。

雇用保険について社労士に相談する

社労士を探す際には、全国7,000以上の事務所(全国の依頼可能な社労士の23%)の社労士が登録する、中小企業福祉事業団の「社労士ナビ」をご活用ください。

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初回相談が無料の社労士も多いため、事務所のスタンスや人柄をしっかり見極めた上で依頼しましょう。

執筆者

中小企業福祉事業団 編集部

 
日本最大級の民間社労士団体として、社労士を介して中小企業を支援する活動を行っています。本サイト「社労士ナビ」は、課題を抱える中小企業が、課題を解決できる社労士を探して、巡り合えるように構築しました。「社労士ナビ」が中小企業の人事・労務課題を解決する一助になれば幸いです。

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