職場のハラスメント対策とは?企業が整えておきたい予防・対応のポイントを解説
職場のハラスメントは、一部の職場だけで起きる例外的な問題ではありません。厚生労働省の調査では、過去3年間にハラスメントの相談があった企業の割合は、パワハラで64.2%、セクハラで39.5%、顧客等からの著しい迷惑行為で27.9%でした。
企業にとってハラスメント対策は、日ごろから向き合うべき職場づくりの課題のひとつです。職場のハラスメントは、被害を受けた労働者の心身に影響するだけでなく、職場の雰囲気や企業の信頼にも関わります。
さらに、令和8(2026)年10月1日からは、カスタマーハラスメント対策と、求職者等に対するセクシュアルハラスメント対策が事業主の義務となります。企業は、社内の人間関係だけでなく、顧客対応や採用活動まで含めた対策が欠かせません。
この記事では、職場のハラスメントの種類や企業が行うべき対策、対応が遅れた場合のリスク、発生時の対応について、実務担当者向けに解説します。相談窓口や社内ルール、相談があったときの対応を確認し、自社の仕組みを見直すきっかけにご活用ください。
参考:厚生労働省|令和5年度厚生労働省委託事業「職場のハラスメントに関する実態調査」報告書(概要版)
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職場のハラスメントとは

職場のハラスメントとは、職場における言動によって、労働者の尊厳や就業環境が害される問題を指します。ハラスメント行為は、被害を受けた本人だけでなく、周囲の労働者の働く意欲や職場全体の雰囲気にも影響することがあります。
厚生労働省の指針によると、ハラスメントを判断する際の「職場」と「労働者」の範囲は以下のとおりです。
- 「職場」とは:労働者が業務を行う場所を指し、通常のオフィスだけでなく、出張先、取引先との打ち合わせの場所、業務で使用する車中なども含まれます。また、勤務時間外の会食や懇親の場であっても、仕事の一部と考えられる場合は「職場」に該当することがあります。
- 「労働者」とは:正社員だけでなく、パートタイム労働者、契約社員など、事業主が雇用するすべての労働者を指します。派遣労働者についても、派遣元事業主だけでなく、派遣先事業主が対応を求められる場合があります。
つまり、ハラスメント対策は一部の労働者だけを対象にするものではありません。雇用形態にかかわらず、職場で働くすべての労働者を守る取り組みとして考える必要があります。
職場のハラスメント対策は企業の義務

ハラスメントが社会的な問題として広く認識されるなか、企業には労働者が安心して働ける職場づくりが求められています。ハラスメント対策は、企業が自主的に行う取り組みにとどまらず、法律上も事業主に求められている対応です。
ここでは、ハラスメント対策が法律でどのように定められているのかを確認します。
ハラスメント対策の義務化|近年の変化
ハラスメント対策は、これまで複数の法律で段階的に強化されてきました。
近年の主な流れは以下のとおりです。
| 時期 | 内容 | 対象 |
|---|---|---|
| 令和2(2020)年6月1日 | 労働施策総合推進法が施行され、パワーハラスメント防止措置が義務化 | 大企業 |
| 令和4(2022)年4月1日 | パワーハラスメント防止措置が中小企業にも義務化 | すべての事業主 |
| 令和8(2026)年10月1日 | カスタマーハラスメント対策と、求職者等に対するセクシュアルハラスメント対策が義務化 | すべての事業主 |
なお、令和8(2026)年10月1日からの義務化は、パワーハラスメント防止措置のように大企業から中小企業へ段階的に適用されるものではなく、すべての事業主が対象です。施行に向けて、早めに対策を進めていきましょう。
対策の根拠となる主な法律
ハラスメント対策を定めている主な法律には、以下のようなものがあります。
- 労働施策総合推進法:パワーハラスメント防止措置を定める。令和8(2026)年10月1日からは、カスタマーハラスメント対策も事業主の義務となる
(例)上司による過大な要求、顧客からの社会通念上許容される範囲を超えた言動など - 男女雇用機会均等法:セクシュアルハラスメント、妊娠・出産等に関するハラスメントへの措置義務を定める。令和8(2026)年10月1日からは、求職者等に対するセクシュアルハラスメント対策も事業主の義務となる
(例)性的な言動、妊娠・出産等に関する上司・同僚からの嫌がらせなど - 育児・介護休業法:育児休業・介護休業等に関するハラスメントへの措置義務を定める
(例)育児休業や介護休業の取得・申出に関する上司・同僚からの嫌がらせなど
このように、ハラスメントの種類によって、関係する法律は異なります。
一方で、いずれの法律でも、事業主にはハラスメントを防止するための「雇用管理上必要な措置」を講じることが求められています。具体的には、ハラスメントを許さない方針の周知、相談窓口の整備、相談があった際の対応、再発防止などです。
こうした義務を果たすためにも、まずはどのようなハラスメントがあるのかを知っておきましょう。
企業対応が求められる職場のハラスメントの種類

職場で問題となるハラスメントには、パワハラやセクハラだけでなく、カスハラ、マタハラ・パタハラなどがあります。
法律で企業に対応が求められているものもあれば、法律上の名前はなくても、職場の雰囲気や働きやすさに影響を及ぼすものもあります。
企業が押さえておきたい主なハラスメントは以下のとおりです。
パワハラ(パワーハラスメント)
職場のパワーハラスメントとは、職場での立場や関係性を背景に、仕事上必要な範囲を超えた言動によって労働者が働きにくくなることを指します。
厚生労働省では、以下の3つをすべて満たすものを「職場のパワーハラスメント」としています。
- 優越的な関係を背景とした言動である
- 業務上必要かつ相当な範囲を超えている
- 労働者の就業環境が害される(働きづらくなる)
「優越的な関係」とは、単に上司と部下の関係だけを指すものではありません。専門知識や経験、人間関係などによって、相手が抵抗しにくい関係にある場合も含まれます。
ただし、仕事に必要な指示や指導がすべてパワハラになるわけではありません。客観的に見て、業務上必要であり、行きすぎていない指導であれば、パワハラにはあたりません。
関連記事:企業が知っておくべきパワハラ対策|判断基準と法的義務
逆パワハラ
逆パワハラとは、一般に、部下から上司に対して行われるパワーハラスメントを指す通称です。法律上の正式な用語ではありませんが、部下や同僚からの言動であっても、パワハラとして問題になることがあります。
たとえば、専門的な知識を持つ部下が必要な協力をせず、上司の仕事を進めにくくするケースや、複数の部下が集団で上司を無視するケースなどです。
上司という立場から周囲に相談しにくく、問題が表に出にくい場合もあります。そのため、企業は「上司から部下へ」の言動だけでなく、職場全体の人間関係にも目を向けることが大切です。
関連記事:逆パワハラとは?具体例と対策を解説
セクハラ(セクシュアルハラスメント)
セクハラとは、職場での性的な言動によって、労働者が不利な扱いを受けたり、働きにくくなったりすることを指します。
大きく分けると、以下の2つのタイプがあります。
- 対価型:性的な言動を拒否したこと、または受け入れたことを理由に、解雇・降格・減給などの不利な扱いをするもの
- 環境型:性的な言動によって職場が不快な環境になり、労働者が働きにくくなるもの
セクハラは、異性間だけでなく同性間でも問題になる場合があります。また、取引先や顧客など、社外の相手による言動も対象です。
関連記事:セクハラとは?定義・種類・最新法改正と企業対応を徹底解説
カスハラ(カスタマーハラスメント)

カスハラとは、顧客や取引先、施設の利用者など社外の相手からの、行き過ぎた言動によって労働者が安心して働きにくくなることを指します。
カスハラは、主に以下のような要素から判断されます。
- 顧客・取引先・施設の利用者など、事業に関係する人による言動である
- 社会通念上許容される範囲を超えた言動である
- 労働者の就業環境が害される(働きづらくなる)
「社会通念上許容される範囲を超えた言動」とは、一般的に見て受け入れがたい暴言、長時間の拘束、過度な要求などを指します。
なお、令和8(2026)年10月1日からは、企業にカスハラ対策が義務づけられます。詳しくは以下の記事をご覧ください。
関連記事:カスハラ対応とは?企業が取るべき具体策とハラスメント全体への対応指針を解説
マタハラ・パタハラ(マタニティハラスメント・パタニティハラスメント)
マタハラ・パタハラとは、妊娠・出産や育児休業などに関する言動によって、労働者が働きにくくなるハラスメントを指します。
一般に、妊娠・出産した女性への嫌がらせをマタハラ、男性の育児休業取得などに対する嫌がらせをパタハラと呼ぶことがあります。ただし、企業実務では、性別で分けすぎず、妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント全体として対策することが大切です。
関連記事:マタハラ・パタハラとは?
その他のハラスメント
上記のほかにも、職場ではさまざまなハラスメントが問題になることがあります。法律で個別に義務づけられていなくても、放置すれば就業環境を害する可能性があります。
企業が注意しておきたい、主なハラスメントは以下のとおりです。
- 就ハラ(就活ハラスメント):就職活動中の学生やインターンシップの参加者などへの嫌がらせ。このうち性的な言動(求職者等セクハラ)は、令和8(2026)年10月1日から対策が義務化される
- ケアハラ(ケアハラスメント):介護休業や介護休暇など、介護に関する制度利用への嫌がらせ
- モラハラ(モラルハラスメント):言葉や態度による精神的な嫌がらせ
- リモハラ(リモートハラスメント):テレワークやオンライン会議で起こる嫌がらせ
- アルハラ(アルコールハラスメント):飲み会での飲酒の強要など
これらのハラスメントは、単独で起こることもあれば、複数が重なって起こることもあります。予防のためにも、自社の職場でどのようなハラスメントが起こりやすいかを把握しておきましょう。
職場のハラスメントが企業に与える4つのリスク

職場のハラスメントは、被害を受けた労働者だけの問題ではありません。対応が遅れると、企業の人材確保や職場の雰囲気、採用活動などにも影響することがあります。
ここでは、企業が知っておきたい主なリスクを4つ紹介します。
労働者の離職につながる
ハラスメントは、被害を受けた労働者に大きなストレスを与えます。その結果、心身の不調や休職、離職につながることがあります。
厚生労働省の調査では、ハラスメントを受けたと回答した労働者のうち、パワハラを受けた人の36.9%、セクハラを受けた人の51.7%が、被害を受けても「何もしなかった」と回答しています。
相談がないからといって、職場に問題がないとは限りません。声を上げられないまま、労働者が静かに退職してしまうケースも考えられます。また、「企業が守ってくれない」という不信感が広がると、被害を受けた本人だけでなく周囲の労働者にも不安が広がり、人手不足が進むおそれがあります。
企業は、定期面談やアンケート、管理職研修などを取り入れ、問題が大きくなる前に気づける仕組みをつくっておくことが大切です。
参考:厚生労働省|令和5年度厚生労働省委託事業「職場のハラスメントに関する実態調査」報告書(概要版)
損害賠償を求められる可能性がある
ハラスメントが起きた場合、行為者本人だけでなく、企業にも責任が問われることがあります。
たとえば、行為者には民法上の不法行為責任が問われる可能性があります。また、企業についても、使用者責任や安全配慮義務違反を理由に、損害賠償を求められる場合も少なくありません(民法第709条・第715条、労働契約法第5条)。
賠償額は、ハラスメントの内容や期間、被害の程度、企業の対応状況などによって変わります。被害を受けた労働者が休職や退職に至った場合、慰謝料だけでなく、治療費や休業による損害なども問題となり、企業の経営に影響することがあります。
こうした事態を防ぐためにも、企業は相談窓口や社内ルールを整え、相談受付から事実確認、対応、再発防止までの流れをあらかじめ決めておきましょう。
労働局などへの対応が必要になることがある
企業に求められているハラスメント防止措置が十分に整っていない場合、労働局などから報告を求められたり、助言・指導・勧告を受けたりすることがあります。
勧告に従わないと、企業名が公表される可能性もあります。
また、労働局などへの対応には、資料の準備や事実確認、関係者への聞き取りなどが必要になるケースも少なくありません。通常業務と並行して対応することになるため、日ごろから相談対応の流れや記録の残し方を整理しておきましょう。
企業イメージの低下で採用活動に影響する
近年は、口コミサイトやSNSを通じて、職場の雰囲気や働き方に関する情報が広まりやすくなっています。
「労働者を大切にしていない企業」という印象が広がると、応募者が不安を感じ、採用活動に影響するだけではありません。せっかく採用した人材が、職場環境への不安から早期に離職してしまうことも考えられます。
こうしたリスクを減らすには、ハラスメントが起きる前の予防だけでなく、相談があったときの対応まで整理しておくことが必要です。次章では、企業が押さえておきたいハラスメント対策の全体像を確認していきます。
職場のハラスメント対策の全体像

ハラスメント対策は、「起きないようにするための予防」と、「相談があったときの対応」の両方を整えておく必要があります。
予防だけでは、万が一ハラスメントが起きたときに対応が遅れてしまうことがあります。一方で、発生後の対応だけでは、同じような問題を繰り返しかねません。
企業が整えておきたい、予防から再発防止までの流れは以下のとおりです。
【ハラスメント対策の全体像】
| 区分 | 段階 | ねらい | 主な取り組み |
|---|---|---|---|
| 予防 | ①予防 | 問題が起きにくい職場をつくる | 方針の明確化・周知/相談窓口の設置/研修 |
| 対応 | ②発見 | 小さな変化に気づく | 相談しやすい環境づくり/管理職や周囲による気づき |
| 対応 | ③相談 | 相談者の話を受け止める | 秘密を守る/話を丁寧に聞く/本人の意向を確認する |
| 対応 | ④確認 | 何があったのかを確認する | 当事者や周囲への聞き取り/どちらか一方に偏らない確認 |
| 対応 | ⑤対応 | 確認した内容に応じて対応する | 被害を受けた労働者への配慮/ 行為者への就業規則に沿った注意・指導・処分/職場環境の調整 |
| 対応 | ⑥フォロー | 対応後も被害を受けた労働者を継続的に支える | 定期的な声かけ/産業医・カウンセラー等への橋渡し/不利益取扱いの防止 |
| 対応 | ⑦再発防止 | 同じことを繰り返さない | 研修の実施/社内ルールや相談体制の見直し |
このうち、「①予防」は、企業が日ごろから進めておきたい取り組みです。
一方で、「②発見」以降は、実際に相談があったときや、ハラスメントの可能性に気づいたときの対応です。対応の流れをあらかじめ決めておくことで、担当者が迷いにくくなり、相談者にも安心感を持ってもらいやすくなります。
次の章では、まず「①予防」にあたる基本的な対策を解説します。なお、「②発見」以降の具体的な進め方は、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
関連記事:職場のハラスメント対応の進め方とは?相談から再発防止までの5ステップを解説
職場のハラスメントを予防するために企業が整えておきたいこと

ハラスメントを予防するには、問題が起きてから対応するだけでなく、日ごろから職場のルールや相談しやすい仕組みを整えておくことが重要です。
企業がまず押さえておきたい取り組みは、大きく4つに整理できます。
①方針を明確にして、すべての労働者に知らせる
まず、どのような行為がハラスメントにあたるのかを明確にし、「ハラスメントを許さない」という企業の方針を示します。あわせて、ハラスメントが起きた場合には、ルールに沿って適切に対応することを、就業規則やハラスメント防止規程などに定めておきましょう。
これらの内容は、管理職を含むすべての労働者に知らせ、繰り返し伝えていくことが大切です。社内に浸透させるには、経営層が自ら発信し、企業としての姿勢を示していくことも効果的です。
②気軽に相談できる体制を整える
労働者が安心して相談できるよう、相談窓口をあらかじめ決め、その存在をすべての労働者に知らせます。
窓口は人事部など社内に設けるほか、外部の社労士や専門機関に委託する方法もあります。社内だけでは相談しにくい場合もあるため、社外の相談先も用意しておくとよいでしょう。
また、相談を受ける担当者が適切に対応できるよう、相談時の対応方法や情報共有の範囲なども整理しておくと安心です。
③発生時に迅速に対応できるよう準備しておく
ハラスメントが実際に起きたときに慌てないよう、相談を受けてから再発防止までの流れをあらかじめ整えておきます。
たとえば、誰が相談を受けるのか、誰が事実確認をするのか、確認した内容をもとにどのように対応するのかを決めておくと、対応をスムーズに進められます。
こうした流れが明確になっていれば、担当者が迷いにくくなるだけでなく、相談者にとっても、「相談すればきちんと対応してもらえる」と感じやすくなるでしょう。
④相談者を守るルールを決めておく
「相談したら不利になるかもしれない」と思われると、被害が表に出てこなくなる可能性もあります。そのため、労働者が安心して相談できるルールをあらかじめ明確にし、すべての労働者に知らせておくことが大切です。
とくに、次の2つは明確にしておきましょう。
- 相談した人や関係者のプライバシーを守ること
- 相談や調査への協力を理由に、不利益な扱いをしないこと
相談しやすい環境を整えることは、問題の早期発見や深刻化の防止にもつながります。
さらに役立つ対策にするための取組
ハラスメント対策を実際に役立つものにするには、相談窓口や社内ルールを整えるだけでなく、職場環境そのものにも目を向けることが必要です。
厚生労働省では、ハラスメントを予防するための望ましい取組として、主に以下のような内容を示しています。
- 複数のハラスメントにまとめて相談できる窓口の整備
- 管理職と労働者が話しやすい雰囲気をつくる
- 定期的にアンケートを行い、労働者の声を対策に反映する
こうした取組を重ねることで、自社の実情に合った、使いやすいハラスメント対策を整えていけるでしょう。
参考:厚生労働省|職場におけるハラスメント対策パンフレット(PDF)
職場のハラスメントが実際に発生した際の対応ポイント

どれだけ予防に取り組んでいても、ハラスメントが完全になくなるとは限りません。問題が起きた場合、本人からの相談や、周囲・管理職の気づきによって表面化することもあります。
相談を受けたときに大切なのは、場当たり的に動くのではなく、あらかじめ決めた手順に沿って冷静に対処することです。とくに、初動を誤ると事態が悪化し、相談者が不安を感じたり、問題が大きくなったりするおそれがあります。
相談を受けたときの基本的な対応の流れは、次のとおりです。
- 「相談」を受ける:相談者の話をじっくり聞き、秘密を守ること、相談を理由に不利益な取扱いをしないことを伝えます。
- 何があったのかを「確認」する:相談者、行為者とされる人、必要に応じて周囲の関係者への聞き取りを行い、中立な立場で確認します。
- 確認結果に応じて 「対応」する:確認できた事実にもとづき、被害を受けた労働者への配慮、行為者への注意・指導・処分などを検討します。
- 被害を受けた労働者を「フォロー」する:対応後も、職場環境の調整や継続的な声かけを行い、安心して働き続けられるよう支えます。
- 「再発防止」に取り組む:原因を振り返り、研修や社内ルール、相談体制の見直しにつなげます。
どの段階でも大切なのは、相談者や関係者のプライバシーを守ることです。また、相談したことや確認に協力したことを理由に、不利益な取扱いをしないよう注意が必要です。
それぞれのステップの具体的な進め方は、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
職場のハラスメント対策に悩んだら社労士に相談を

ハラスメントへの対策は、企業の規模や業種、職場の環境によって最適な形が異なります。他社の事例をそのまま取り入れるのではなく、自社の実情に合った方針や体制を整えることが大切です。
人事・労務の専門家である社労士には、たとえば以下のような相談ができます。
- ハラスメント防止規程や就業規則の作成・見直し
- ハラスメント対策の方針づくりや、社内周知の進め方
- 管理職・労働者向けの研修の実施
- 相談窓口の設置や、外部相談窓口としての対応
- ハラスメントが起きたときの対応手順や体制づくり
自社だけで対策を進めるのが難しい場合や、何から手をつければよいか迷う場合は、早い段階で相談することで、自社の実情に合った現実的な対策を整えられるでしょう。
まとめ|職場のハラスメント対策は「予防と対応」の両面から備えよう

本記事では、職場のハラスメントの種類、企業に与えるリスク、企業が整えておきたい予防策、実際に発生したときの対応について解説しました。
職場のハラスメントは、被害を受けた労働者だけでなく、職場全体の雰囲気や企業の信頼にも影響します。労働者を守ると同時に、企業自身をリスクから守るためにも、方針・体制・手順をふだんから整えておくことが大切です。
また、令和8(2026)年10月1日にはカスタマーハラスメント対策と、求職者等に対するセクシュアルハラスメント対策も義務化され、企業に求められる範囲はさらに広がります。
社労士に相談すれば、ハラスメント防止規程の整備や相談窓口の設置、社内研修などについて、自社の実情に合った進め方を検討できます。問題が起きて対応に追われる前に、まずは取り組みやすいところから整えていきましょう。
職場のハラスメント対策について社労士に相談する
社労士を探す際は、全国7,000以上の事務所(全国の依頼可能な社労士の23%)の社労士が登録する、中小企業福祉事業団の「社労士ナビ」をご活用ください。
この企業と社労士をつなぐ日本最大級のポータルサイトでは、地域や得意分野などを指定して社労士を探せるので、自社のニーズに合った社労士が簡単に見つかります。
初回相談が無料の社労士も多いため、事務所のスタンスや人柄をしっかり見極めたうえで依頼しましょう。