リベンジ退職とは?企業への影響と対策を解説
会社への不満を背景に、業務への影響を意識して退職する「リベンジ退職」が注目されています。突然の退職や引継ぎ不足などが発生すると、人事労務担当者は対応に迷うこともあるでしょう。本記事では、リベンジ退職の意味や具体例、起こる原因、企業への影響、発生時の対応と予防策について解説します。
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リベンジ退職とは?意味と通常の退職との違い

リベンジ退職とは、会社や上司などへの不満を背景に、退職する従業員が会社に困難や不利益を生じさせる意図を持って行動する退職のあり方を指す言葉です。法律上の正式な用語ではなく、退職そのものとは分けて考える必要があります。企業としては「仕返しをされた」と感情的に捉えるのではなく、退職の自由を前提としながら、退職に伴う個々の行動を客観的に確認することが判断の軸となります。
参考:退職や労働契約の終了に関する基本的なルールについては、厚生労働省「労働契約の終了に関するルール」も参考になります。
リベンジ退職の意味
リベンジ退職では、従業員が職場で感じてきた不満や不公平感などをきっかけに、会社への「仕返し」の意味合いを持つ行動に出るケースがあります。具体的にどのような行動が挙げられるかは、次項で整理します。
ただし、会社にとって都合の悪いタイミングで退職しただけで、直ちにリベンジ退職と判断できるわけではありません。企業側は本人の退職理由やそれまでの経緯、退職時の言動などを整理し、単なる退職と会社への報復を意図した行動を混同しないことが大切です。
リベンジ退職の具体例
リベンジ退職として挙げられることの多い例は次のとおりです。
- 繁忙期や大型案件の直前に退職日を設定する
- 退職の申し出から退職日までの期間を最短に設定する
- 残っている年次有給休暇をすべて取得し、申し出後の出社日をほとんど設けない
- 引継ぎ書を作成せず、口頭の説明だけで済ませる
- 後任者からの質問に応じず、最終出社日まで具体的な情報を渡さない
- 業務データやファイルを削除する、私物端末や個人用サービスに持ち出す
- 同僚に働きかけ、複数人で同時期に退職する
- SNSや口コミサイトに職場の内情を投稿する
上記の例は、法的な位置づけがそれぞれ異なります。退職日を早めに設定することや年次有給休暇を取得することは労働者に認められた権利の行使であり、企業が報復と受け止めたとしても、それを理由に退職や休暇取得を拒むことはできません。
参考:退職時の手続きや労働者・使用者双方の基本的なルールについては、厚生労働省「確かめよう労働条件」の解説も確認できます。
一方、業務データの削除や営業秘密にあたる情報の持ち出しは、退職の自由とは別の問題として、不正競争防止法や社内規程にもとづく検討が必要になります。
企業が整理すべきなのは、不満を背景とした行動かどうかではなく、その行動が権利の範囲内にとどまるのか、範囲を超えているのかという点です。権利の範囲内であれば、受け止めたうえで業務体制の見直しにつなげることが現実的な対応になります。範囲を超えている可能性がある場合は、感情的な対応を避け、事実関係やアクセスログなどの記録を確認したうえで、必要に応じて弁護士等の専門家に相談します。
通常の退職・円満退職との違い
通常の退職でも、転職や家庭の事情、キャリア形成など理由はさまざまです。会社としては引き止めたい人材であっても、従業員が退職を選択することはあります。一般に円満退職と呼ばれるケースでは、退職日や引継ぎについて話し合いながら、必要な手続きを進めていきます。
一方、リベンジ退職と呼ばれるケースでは、会社への不満を背景として、業務への影響を意識した行動などが伴う点に特徴があります。もっとも、従業員には退職の自由があるため、企業は「円満か否か」だけで対応を変えるのではなく、就業規則や労働契約、法令を踏まえて個別の事実関係に沿って対応する必要があります。
リベンジ退職が起こる主な原因・背景
リベンジ退職につながる不満は、退職を決める直前に生じるとは限らず、人事評価や待遇、上司との関係などを通じて蓄積している場合があります。また、退職の申し出に対する会社側の対応が、新たな不満を生むことも考えられます。企業が予防策を検討する際は、退職者個人の問題として処理するのではなく、不満が生じた経緯や職場環境にも目を向け、改善できる組織上の要因がなかったかを確認する視点が必要です。
人事評価や待遇への不満が蓄積している
評価結果や昇給・昇進、業務量と処遇のバランスなどに納得できない状態が続くと、従業員の会社に対する不満が蓄積することがあります。特に「評価基準がわからない」「成果を上げても評価に反映されない」と感じている場合、退職時にそれまでの不満が表面化する可能性があります。
企業が確認したいのは、評価結果の高低だけではありません。評価基準を従業員に示しているか、評価理由を説明する機会があるか、上司によって運用に大きな差がないかといった点も対象になります。退職者から評価への不満が示された場合には、個別の主張として処理するだけでなく、制度と実際の運用にずれがないかを検証する材料にできます。
関連記事:人事評価では、評価基準を明確にし、従業員への説明やフィードバックを適切に行うことが重要です。人事評価を含む人事業務のポイントについては、「人事の業務内容とは?総務・労務との違いや中小企業が抱える課題を解説」も参考にしてください。
上司との関係や職場環境に不満がある
上司とのコミュニケーション不足や職場内の人間関係も、退職に至る背景の一つになり得ます。例えば、相談しても取り合ってもらえない、業務上の要望を伝える機会がないなどの状態が続けば、従業員が「会社に意見を伝えても変わらない」と感じることがあります。
企業側では、直属の上司だけが部下の状況を把握する仕組みにしないことがポイントです。定期面談や人事担当者への相談ルート、必要に応じた相談窓口など、別の経路から声を拾える仕組みを設ける方法があります。退職時に初めて問題を把握する状況を減らすには、日常的に職場の状況を確認できる体制づくりが有効です。
関連記事:上司との関係や職場環境の問題は、ハラスメントなどの労務トラブルにつながることもあります。企業に求められるパワハラ対策については、「パワハラとは?指導との違い・判断基準と企業に求められる対策を解説」も確認しておきましょう。
退職時の会社の対応によって不満が強まる
退職を申し出た従業員に対する会社の言動が、それまでの不満をさらに強める場合もあります。例えば、退職理由を一方的に否定する、本人の意向を聞かずに強く引き止める、退職することを理由に職場で不適切な扱いをするといった対応は、労使間の対立を深める要因になり得ます。
退職の申し出を受けた担当者は、まず本人の意思や希望する退職日を確認し、必要な手続きについて落ち着いて説明することが基本です。退職理由への反論よりも、事実確認と手続きに軸を置くことで、不要な対立を避けやすくなります。面談内容を記録しておくことも、その後の認識の食い違いを防ぐうえで役立ちます。
リベンジ退職が企業に与える影響とリスク

リベンジ退職によって企業が受ける影響は、退職者が一人減ることだけではありません。引継ぎ不足による業務停滞や既存従業員への負担、さらなる離職、社外での情報発信など、複数の問題に波及する可能性があります。ただし、すべてを退職者の責任と捉えると、根本的な課題を見落としかねません。企業は発生した影響を整理するとともに、業務体制や職場環境に改善すべき点がないかを検証する必要があります。
引継ぎ不足によって業務に支障が生じる
担当者が十分な引継ぎをしないまま退職すると、進行中の案件や顧客とのやり取りを後任者が把握できず、業務が滞ることがあります。取引先への回答が遅れたり、社内で必要な資料を探す時間が増えたりすれば、周囲の業務にも影響が及びます。
こうした事態は、退職時だけの問題ではなく、日頃の業務管理とも関係します。担当者しか把握していない情報が多い企業では、通常の退職でも同様の問題が起こり得るためです。
残された従業員の業務負担が増える
退職者の担当業務をすぐに補充できない場合、同じ部署の従業員が一時的に業務を引き受けることがあります。その結果、残業時間の増加や休暇取得への影響などが生じれば、既存従業員の働き方にも注意が必要になります。
企業は単純に業務を割り振るのではなく、優先順位を付けて一時停止できる業務がないかを整理することが有効です。あわせて、各従業員の労働時間や業務量を把握し、特定の人に負担が集中していないかを確認します。退職による欠員を長時間労働で補う状態が続かないよう、人員配置や採用、業務そのものの見直しを並行して検討する必要があります。
連鎖的な退職につながる可能性がある
一人の退職後に業務負担が偏ったり、退職理由として示された職場の問題が残ったりすると、ほかの従業員が退職を検討するきっかけになる場合があります。特に同じ部署から退職が続く場合は、個人ごとの事情だけでなく、共通する要因がないかを見ることが大切です。
関連記事:特定の部署で退職が続くなど、労務管理上の課題が疑われる場合は、職場の運用状況を客観的に点検することも有効です。労務管理のチェック方法については、「労務監査とは?実施の必要性やチェック項目、監査の流れを解説」も参考になります。
例えば、退職者へのヒアリングだけでなく、在職者との面談や勤怠状況、有給休暇の取得状況なども確認材料になります。複数人から同じ管理職とのコミュニケーションや業務配分について意見が出ているのであれば、組織運営上の課題として検討できます。個々の退職を独立した出来事として処理しないことが、次の離職への対応につながります。
SNSなどへの投稿が企業の評判に影響することがある
退職者がSNSや口コミサイトなどに職場での経験を投稿すると、求職者や取引先などの目に触れる可能性があります。内容によっては採用活動や企業イメージに影響することも考えられますが、会社に批判的な投稿だからという理由だけで直ちに削除要求などの対応に踏み切ることは避ける必要があります。
まず、投稿内容が個人の意見や体験談なのか、事実と異なる情報や秘密情報などを含むのかを区別します。また、投稿で指摘された労働環境などに事実として改善すべき点がないか、社内でも確認する視点が必要です。対応の可否について法的判断が必要な場合は、社会保険労務士の業務範囲とは分け、弁護士等への相談を検討します。
リベンジ退職が発生したときに企業が行う対応

リベンジ退職と考えられる状況でも、企業は通常の退職手続きを基本として冷静に対応することが大切です。報復的な意図があるかどうかの追及を優先するのではなく、退職の意思や日程を確認し、必要な引継ぎ、社会保険などの手続きを進めます。同時に、退職者との対立を深める対応を避けながら、会社の情報や貸与物を適切に管理することが実務上の判断軸となります。
退職の意思と退職希望日を確認する
退職の申し出を受けたら、まず本人の退職意思と希望する退職日を確認します。口頭で突然申し出があった場合でも、感情的に拒否したり、その場で結論を迫ったりするのではなく、いつ、誰に、どのような申し出があったのかを記録しておくと、その後の手続きを整理しやすくなります。
退職日の取扱いは、雇用契約の期間の定めの有無などによって法律上の扱いが異なるため、就業規則に記載された申出期限だけで一律に判断しないことがポイントです。
参考:退職や労働契約終了に関する法律上の考え方については、厚生労働省「労働契約の終了に関するルール」を確認してください。
| 期間の定め | 雇用契約解約の申し入れ | 申し入れから契約終了まで |
|---|---|---|
| 無し | ・いつでも可(民法627条1項) | 2週間(民法627条1項) |
| 有り | ・やむを得ない事由がある場合に可(民法628条) ・(契約期間が1年を超える場合)1年経過後いつでも可(労働基準法附則第137条)※ |
・やむを得ない事由がある場合:直ちに解除 ・(契約期間が1年を超える場合)申し入れにより退職 |
※高度専門職・満60歳以上の労働者には労働基準法附則137条は適用されません
退職届などの社内書式がある場合は提出方法を案内します。その際に、退職前にまとまった年次有給休暇の取得希望が示されることもあります。使用者の時季変更権というものがありますが、これは他の時季に休暇を与えることを前提とする制度であるため、退職日以降に変更先となる労働日がない場合には行使が難しくなります。
引継ぎ期間を確保したい場合は、退職日そのものの調整や引継ぎ範囲の優先順位付けを本人と確認しながら進めましょう。
就業規則を踏まえて引継ぎと退職手続きを進める
退職日までに必要な業務を洗い出し、誰に何を引き継ぐのかを具体化します。例えば、進行中の案件、顧客への対応履歴、定例業務、データの保存場所などを一覧にすると、会社と退職者の双方が残りの作業を把握しやすくなります。必要に応じて就業規則上の引継ぎに関する規定も確認します。
同時に、健康保険・厚生年金保険や雇用保険など、退職に伴って会社が行う手続きも期限に沿って進めます。健康保険・厚生年金保険の被保険者資格喪失届は退職日の翌日から5日以内、雇用保険被保険者資格喪失届は被保険者でなくなった日の翌日から起算して10日以内が提出期限です。
リベンジ退職と受け止めている場合でも、必要な手続きを遅らせる理由にはなりません。引継ぎ業務と公的な手続きを分けて管理すると、担当者による対応漏れを防ぎやすくなります。
関連記事:退職時には、引継ぎだけでなく、社会保険や雇用保険、貸与物の回収など複数の手続きが発生します。会社側が行う退職手続きの流れについては、「【会社側】退職手続きの流れとは?必要な書類や注意点もわかりやすく解説!」で詳しく解説しています。
感情的な引き止めや不利益な取り扱いを避ける
会社にとって予想外の退職であれば、上司や経営者が強く引き止めたくなることもあります。しかし、「繁忙期だから辞めさせない」などと一方的に退職を認めない姿勢を示したり、退職を申し出たことを理由に嫌がらせをしたりすると、労使間の対立をさらに深めるおそれがあります。
退職理由を確認する面談では、本人を責めることよりも、退職意思が固まっているのか、職場についてどのような意見を持っているのかを整理します。複数の担当者が対応する場合は説明内容を統一し、面談日時や確認事項も記録しておくと、後から「言った・言わない」という認識の食い違いが生じるリスクを抑えられます。
情報や貸与物の返却状況を確認する
退職時には、パソコンやスマートフォン、社員証、鍵など、会社から貸与している物品を一覧にして返却状況を確認します。クラウドサービスや業務システムを利用している場合は、退職日や最終出勤日に合わせてアカウントやアクセス権限を管理することも必要です。
顧客情報や従業員情報などを扱う職種では、会社のデータが私物の端末や個人用サービスに残っていないかについても、社内ルールに基づいて確認します。退職者だけを対象に特別な対応をするのではなく、退職時のチェックリストをあらかじめ整備し、誰が退職する場合でも同じ手順で確認できる運用にすると、情報管理上の抜け漏れを減らせます。
参考:退職時の労務管理では、労働関係法令に沿った対応「労働契約の終了に関するルール」を確認することが重要です。
あわせて、会社から退職者への支払い・返還についても確認しましょう。退職者から請求があった場合、未払賃金や預り金などは7日以内に支払い・返還する必要があります(労働基準法23条)。貸与物の返却状況と賃金の支払いを結びつけて処理すると、新たな労働紛争につながるおそれがあるため、それぞれ独立した手続きとして処理します。
なお、退職後に未払賃金を請求する、労働基準監督署に申告するといった行動が、リベンジ退職の例として語られることもあります。しかしこれらは法律上認められた権利行使です。労働基準法は、労働者が監督機関に申告したことを理由として、解雇その他の不利益な取扱いをすることを禁じています(労働基準法104条2項)。
リベンジ退職を防ぐために企業ができる対策

リベンジ退職を完全に防ぐことは難しいものの、従業員の不満が深刻になる前に把握し、職場の課題を改善できる仕組みを整えることでリスクを抑えられます。また、退職者が出ても業務が滞らない体制づくりも欠かせません。企業には「退職させない」ことを目的とするのではなく、従業員が意見を伝えやすい環境を整えるとともに、人事制度や業務分担を継続的に見直す視点が求められます。
従業員が不満を相談できる仕組みを整える
従業員が上司との関係や業務量、職場環境などに不満を感じても、相談先が直属の上司しかなければ問題を抱え込むことがあります。そこで、人事担当者との面談や相談窓口など、直属の上司以外にも意見を伝えられるルートを設ける方法が考えられます。
仕組みを設けるだけでなく、相談先や利用方法を従業員に周知することも必要です。また、相談内容を記録して傾向を把握すれば、同じ部署から類似した相談が続いているといった組織上の兆候を発見しやすくなります。
なお、パワーハラスメントをはじめとする各種ハラスメントについては、相談に応じ適切に対応するために必要な体制の整備が事業主の措置義務とされています(労働施策総合推進法、男女雇用機会均等法、育児・介護休業法ほか)。不満の相談窓口とハラスメント相談窓口の関係を整理したうえで運用してください。
関連記事:ハラスメントの相談受付から事実確認、対応、再発防止までの基本的な流れについては、「カスハラ対応とは?企業が取るべき具体策とハラスメント全体への対応指針を解説」も参考になります。
人事評価や処遇の納得感を高める
人事評価への不満を減らすには、単に給与や賞与を引き上げるのではなく、どのような基準で評価され、その結果が処遇にどう反映されるのかを従業員が理解できる状態にすることが重要です。評価基準が曖昧だったり、評価者によって判断に大きな差があったりすると、不公平感につながる場合があります。
例えば、評価項目と判断基準を明文化し、評価結果を伝える面談で理由を説明する方法があります。また、人事担当者が部署ごとの評価結果を確認するなど、運用上のばらつきを点検する仕組みも有効です。制度を作ったままにせず、従業員から寄せられた意見を参考に運用状況を定期的に見直します。
退職の兆候を把握して早めに面談する
勤怠や日頃のコミュニケーションなどに変化が見られた場合、本人が業務上の悩みを抱えていないか確認する機会を設ける方法があります。ただし、退職を疑って問い詰めるのではなく、業務量や職場で困っていること、今後の働き方などを確認する通常の面談として実施することがポイントです。
面談を退職防止だけの手段と考えず、従業員が抱える課題を早期に把握する機会として位置づけます。例えば、1on1や定期面談の実施時期を決め、担当者によって確認内容に大きな差が出ないよう項目を整理しておく方法があります。そこで把握した課題を人員配置や業務分担の見直しにつなげることが、職場環境の改善に役立ちます。
引継ぎを特定の従業員だけに依存しない体制をつくる
退職時の混乱を抑えるには、重要な業務を一人だけが把握している状態を日頃から減らすことが有効です。担当者が急に退職した場合だけでなく、休職や長期休暇などの際にも業務を継続しやすくなり、組織全体のリスク管理につながります。
具体的には、業務マニュアルの作成、案件の進捗を共有できる仕組み、データの保存場所やファイル名の統一などが考えられます。さらに、主要業務について副担当者を決めておけば、引継ぎ期間が短い場合にも対応しやすくなります。退職者の協力を前提とした仕組みだけに頼らず、通常時から情報と業務を共有する運用を整えておくことがポイントです。
リベンジ退職への対応で社労士に相談したいケース

リベンジ退職への対応では、退職届の受領や貸与物の回収など自社で進めやすい業務がある一方、退職日をめぐる認識の相違や就業規則の運用、職場環境に関する課題など、専門的な確認が役立つ場面もあります。特に個別の退職対応だけでなく、同様の問題を繰り返さない労務管理体制を整えたい場合は、社会保険労務士への相談が選択肢となります。自社で事実関係を整理したうえで、相談が必要な範囲を見極めましょう。
退職日や引継ぎをめぐって従業員と認識が食い違っている場合
従業員が希望する退職日と会社が想定する日程が異なる場合や、引継ぎについて双方の認識が食い違っている場合は、対応を慎重に進める必要があります。会社側が就業規則の規定だけを根拠として退職日を決めようとすると、雇用契約の内容や退職の申し出方によっては問題が生じる可能性があります。
まず、雇用契約の期間の定め、退職の申出日、希望する退職日、就業規則の規定などを整理します。社内で判断しにくい場合は、社労士に就業規則や労務管理上の対応について相談すると、必要な手続きを整理しやすくなります。
退職をきっかけに職場の労務管理を見直したい場合
退職者から「評価に納得できなかった」「相談しても改善されなかった」「業務が一人に集中していた」といった意見が示された場合、それを労務管理を点検する材料として活用できます。個人への対応だけで終わらせず、同様の不満がほかの従業員にも生じ得る状態なのかを確認する視点が必要です。
例えば、就業規則と実際の運用にずれがないか、人事評価の基準や面談方法に課題がないか、相談窓口が機能しているかなどを確認します。社労士には、就業規則をはじめとする社内規程や労務管理体制について相談できるため、自社だけでは課題を整理しにくい場合に、第三者の専門的な視点を取り入れることができます。
複数人の退職など組織的な課題が疑われる場合
同じ部署から短期間に複数の退職者が出た場合は、それぞれの転職事情だけでなく、職場に共通する課題がないか確認する必要があります。特定部署で長時間労働が続いている、管理職とのコミュニケーションについて同様の意見が出ているなど、複数の情報を組み合わせることで課題が見えてくることがあります。
企業では、勤怠データや退職理由、面談記録など、客観的に確認できる情報から状況を整理します。そのうえで、労働時間管理や人員配置、社内規程などに改善すべき点があれば対応を検討します。社労士に相談することで、退職者への個別対応だけではなく、今後の離職リスクも意識した労務管理の見直しにつなげられます。
参考:労働条件や職場環境に関する相談・トラブルへの対応については、厚生労働省「確かめよう労働条件」も参考になります。
リベンジ退職について社労士に相談する
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